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不安について③ ~呼吸法~ #6

2021年04月18日


不安にも利点(☞#5)があるのはわかったし、不安はゼロにはならない(☞#4)ことも理解したけれど…

それでもやっぱり不安は不快ですよね。

 

まして、うつ病や不安障害などの症状である『病的な不安』の場合、ドキドキする(動悸)や口が渇く(口渇)だけでなく、胸が締め付けられる(絞扼感)や呼吸困難といった身体症状まで引き起こし、ときに死の恐怖さえもたらします。
これらは明確な理由もないのに出現したり、極端に強かったり、持続性もあったりするので、その恐怖たるや いかばかりかと思います。

例えば、
「昔の嫌な出来事を夢に見て起きたら、強い不安と動悸に襲われてしまい、とても怖くてしばらく身動きが取れずにいました」という うつ病の方や、

「通勤電車で急に息苦しくなり、死んでしまうのではないかという恐怖のために途中で降りた日から、怖くて乗れなくなってしまいました」という パニック障害の方など、
不安による身体症状で苦しむ方はとても多いです。

 

 

1.過呼吸

人は、不安を感じたり緊張したりすると、ドキドキと動悸がしたり、手に汗をかいたり、呼吸がしづらくなったりします。

こうした症状が生じるのは、不安・緊張状態が呼吸を浅く不規則にするからです。

いわゆる『過呼吸』の状態ですが、これは病気でない人にもよく起こります。

 

過呼吸は、全てが「はぁはぁ」とわかりやすく息が荒くなるわけではありません。

ただ浅く、気づかないくらいの乱れだったりすることも多いのです。

ですが、明らかに息が上がっていようが、そこまででなかろうが、不規則な呼吸は不快ですし、そのために不安感は募ってしまいます。

 

ただ、有難いことに、人間には身体の防衛としての「自動的コントロール機能」がありますから、30分もすれば自然に止まります。

とはいえ、不安定な呼吸状態のままの30分間は、非常に長くてつらい時間です。

ですから、その苦痛な時間から少しでも早く解放されるために、過呼吸を自分で「意識的にコントロール」する方法を学ぶことはとても重要です。

その方法を習得できれば自信もついてきます。
「もしもまた過呼吸が起こったとしても、自分で対処できるから大丈夫!」という自信は、その後の過呼吸発作防止のためにも大変役立ちます。

※近年は袋を用いる方法(ペーパーバッグ法)は危険を伴うため、行われていません。


2.呼吸法

深い呼吸をすることで、気持ちは落ち着いていきます。

これは、息を長くゆる~く吐き続けることで『幸せホルモン・セロトニン』が多く分泌され、それにより感情が安定し、幸福感や充足感がもたらされるからです。
セロトニンはリズム運動も好きですから、規則的でリズミカルな呼吸法を行うことでも活性化します。

また、呼吸法で行う『腹式呼吸』は、肺の下にある横隔膜を活発に動かします。

横隔膜には自律神経が密集しているため、その動きによって副交感神経が優位になり、入眠も助けます。
さらに血流も良くするため、冷えやむくみ、便秘の解消といった身体の症状も改善させてくれるのです。

このように、体や美容にまで効果的な呼吸法(深呼吸&腹式呼吸)ですから、正しい方法を身につけて、ストレスに上手に対処して健康と自信を取り戻していきましょう。

いろいろな方法がありますが、ここでは私が長年説明してきたやり方をご紹介します。

①落ち着きの呼吸

まず、息をふぅっと吐き出します。

次に、下腹に軽く手をあて、お腹が膨らむのを確認しながら(腹式呼吸)、
鼻から息を大きく3秒吸って、から

2秒ぐっと止めてから、

口をすぼめて15秒かけてゆっくり吐き出します。

*肩の力を抜いて

*腹式呼吸が難しいときは、寝た状態でやってみてください。
 気道がまっすぐになるので、やりやすくなります。

*ゆっくりと吐くことが大切です。
 苦しかったら、10秒くらいでも構いません。
*自分の中にある嫌なものをどんどん吐き捨てて、新しいものをわくわくしながら取り入れるイメージで。
*吐き出すことで、スペースと安定感も生まれます。

 

*慣れてきたら、数を数える代わりに「リラックス、リラックス」とか「落ち着いて、落ち着いて」「大丈夫、大丈夫」など、自分に合う言葉に変えてみてください。


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②落ち着きのカウントダウン

①を10回繰り返します。

但しこのとき、1回目が終わったら「10」、2回目が終わったら「9」というように、1つずつカウントダウンしていきます。

ですから、最後の10回目は「1」になります。

カウントダウンには心を穏やかにする作用があります。
ゆっくりと静かに減らしていくことで、気持ちは落ち着いていきます。

 

ぜひ、①落ち着きの呼吸②落ち着きのカウントダウン をセットで実践してみてください。

やがて体が覚えてしまえば「もう、何があっても大丈夫!」と必ず思えるようになります。
実際に、認知行動療法で心を整えながら、呼吸法を対処法として習得したことで、長年のパニック障害を克服した方々がいるのですから。

さぁ、あなたもチャレンジしてみてくださいね❀f:id:rakuneko-naga:20191109010503j:image

 

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