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悲しくないのに涙が出てきてしまう人へ。『感情(気分)』について #2

2019年11月10日

 

『祝賀御列の儀』、素晴らしかったですね。

私はパレードの開始時間に合わせてテレビを見始めたのですが、程なくして唐突に涙が浮かんできて、かなりボロボロ泣きました。

あぁ、日本人でよかったな。誇らしいな。嬉しいな。幸せだなぁ って。

そんな思いを感情を、心から噛みしめた、穏やかな秋の午後でした。

今日が休日で良かった!


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でもね、こうした『感情』を持つことや  それに気づけることって、実は当たり前じゃないんです。
とてもありがたいことなんです。

 

カウンセリングを重ねる中で実感しているのが、「自分の感情がわからない人」の多さです。

え? って思いませんか。それって、おかしくない? って。

だって、苦しいと感じているからこそ、カウンセリングに来ているんですもんね。

 

けれど、初回面談で悩みや経緯について伺っているときや、認知行動療法を導入したときに、

「その時、どんな気分でした?」とか「感情はどんなでしたか?」と感情にフォーカスすると、答えられない方が多いんです。


あるいは「〇〇だから、こう思って…」とか「私がこうだから悪くて…」というように、長い文章の形で答える方がとても多い。
これは厳密に言うと、考え=『思考』であって『感情』ではありません。


そして、その違いを説明した上でもう一度聞いてみると、今度は「わからない。感情がつかめない」と返ってきます。


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私が休職や休学を勧める基準の一つに、「悲しくもないのに涙が出る」というものがあります。

つらかった出来事を語っている場面ではないのに、ふいに涙を浮かべたと思ったら、もう止まらなくなる。

そして「悲しいわけでもないのに、すみません」と言って、また泣く。

こうした方の多くは、既に不眠や食欲低下や倦怠感などといった症状にも苦しんでいます。
いわゆる『抑うつ状態』です。

 

 

心にもキャパがあります。

頑張るのにも限界があります。

心をコップで例えれば、水道の蛇口から  じゃあじゃあと水が流れ込み、とっくに溢れ出してしまっている状態です。

これは早急に水道の栓を捻るという作業を行い、水の流れを一旦止めてあげなければなりません。


これが『休職』ないしは『休学』です。

 

せめて一切の残業をやめ、定時で帰宅し、夜も休日も何もしないでただ休むことだけに専念してくれるのであれば、コップの水も少しずつ蒸発し、やがてスペースが生まれてくるのかもしれません。
けれど、それには時間がかかり過ぎてしまいますし、そもそも「休む」ことが十分になされるとは思えません。

時間の経過とともに焦りや不安は増幅し、反対に自分自身への信頼は小さくなる一方となってしまいます。
どれだけ苦しいことでしょう。

 

ですから、私は迷わず休職(休学)を勧めています。

迷う人に無理強いはしませんが、でも次の回でもまたお話しします。

私は結構しつこいです。

 

そして「休みたいけれど、会社(あるいは学校)に、いやその前に主治医に言えない」と躊躇する方には、「“カウンセラーに言われた”と言っていいから、主治医に話してみて。診断書が出れば、職場や学校には渡すだけでいいんだから。郵送だって大丈夫」と伝えます。

困り事は、自分の口で語るより、他人の口を借りた方が楽ですからね。


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『感情』に戻します。

私がよく話すのは『感情と思考の関係』です。

感情は子どもであって、思考が親

感情が「不安だ。怖いよ。嫌なんだ」と言っているのに、

思考は「まだまだだ。そんなのは甘えだ。ちゃんとやらなくちゃいけないよ」と諭す。従わせる。

 

すなわち、交流分析・エゴグラムでいうところのFC(フリーチャイルド、自由な子ども)≒  感情 で、

CP(厳しいお父さん)≒  思考 みたいに私はとらえていて。

でも、こう話すと皆さん納得してくれるので、あながち外れてはいないと信じて説明しています。

 

あなたの素直な子どもとしての『感情』を、あなた自身の厳しくて理性的な親としての『思考』が踏みつけてしまってはいませんか?

 

 

自分の心が今、どんな感情にあるのか

心が揺れ動いたとき、自分自身を点検して、観察してみてください。

そして、それに気づくことができたなら、

「あぁ、そうか。いま私は悲しいんだ。つらいんだね」って、ただ感じてあげてください。
良いとか悪いとか、ジャッジしないで。

 

子どもなあなたの感情は、ただそれだけでやがて落ち着きを取り戻します。必ず。

そうして、あなたはそこから変化の一歩を踏み出すのです。

 

感情に気づけることって当たり前なんかじゃなくて、実はとてもありがたいことなんです。



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『祝賀御列の儀』

アナウンサーが「車列」と口にする度に、サザンオールスターズが大好きな私の脳内では、桑田さんの『月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)』がリフレインしていました。


現在(いま)がどんなにやるせなくても

明日(あす)は今日より素晴らしい

月はいざよう 秋の空

ミスター・ムーンライト

Come again, Please.

もう一度 抱きしめたい

 

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