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アダルトチルドレンと共依存【チェックリスト付き】 #20

2021年05月20日


アダルトチルドレンで悩んでいる人たちのカウンセリングをしていると、
恋愛や結婚生活における不器用さや困難さを目撃します。


不仲で喧嘩ばかりの両親のもとで生きてきたから、
穏やかで幸せな恋愛や結婚生活を人一倍望んでいるのに、現実はいつも苦しい。

今度こそ、今までとは違うタイプだから大丈夫だと思っていたのに、
気づいたら、結局また同じパターンを繰り返して苦しんでいる。

・モラハラ気質で、常に言葉で傷つけてくる
・思い通りにならないと、暴力をふるう
・職探しはしていると言いながら、家にいて働こうとしない
・尽くしてもお礼も言われず、また何かを要求される
・浮気を繰り返されている
・家庭のある人ばかり好きになってしまう

周りから「そんな酷い人とは別れた方がいい」と言われるけれど、
言われれば言われるほど反抗心は沸き上がり、強化されていきます。
また、何とか別れを切り出しても「別れたくない」と泣かれたりして、
「相手には自分が必要で、私もそんな相手が必要」の思いがますます高まり、
別れられないまま。
そんな苦しい毎日を送り続けています。

この「必要としてくれる相手を必要とする状態」を共依存といいますが、
これはアダルトチルドレンと関係の深い概念であり、非常に親和性の高い症状でもあるのです。



1.「共依存」とアダルトチルドレンの関係性
1)共依存もアダルトチルドレン同様に、アルコール依存症の治療現場において生まれたもので、医学的な診断名ではありません。

『共依存(コ・ディペンデンシー)という概念は、アルコール依存症の治療にあたる臨床現場で生まれました。
これは『アダルトチルドレン』の初義が「アルコール依存症の親のいる家庭で育って大人になった人」であったのとまったく同じ現場です。

アルコール依存症の親のいる家庭をはじめとして暴力や暴言、過干渉などの「機能不全家庭」で育ったアダルトチルドレンは、慢性的なトラウマに曝されているうちに、特有の対人関係・認知の歪み・反応を身につけて成長します。
ですから、その特有の対人関係の多くが共依存となってしまうのは、もう必然であるともいえるのです。


2)共依存とアダルトチルドレンとの切っても切れない関係
「多くの共依存の人は、この対人関係の起源をたどる作業を通して自分の生育歴にたどり着く。
そして原家族での経験などを思い出し、自分がその中でとっていた役割に気づき、
自分がACであるという認知に至る。
つまり、共依存の回復のゴールの一つがACとしての自己認知なのである
と言われています、



2.共依存とは
1)アルコール依存症の治療現場で、
家族からの隔離 
②同じ依存症に苦しむ仲間との交流 
が回復のために効果的であることが明らかになりました。

①については、
アルコール依存症者の周囲には、この依存者に巻き込まれながら、
「アルコール依存者の依存心に依存する」という形で病気に手を貸してしまっている人が必ずといっていいほど存在する
ことが判明しました。

このような依存者を後押ししてしまう人を「イネイブラー」といい、
アルコール依存者が回復するには、イネイブラーの変化が重要だとの見解が示されました。
そこで、実際に臨床家がイネイブラーの変化に取り組んでみると、
実はこのイネイブラー自体が深刻な病理を抱えていて、変化していくことは大変な困難を伴うことがわかったのです。
さらに、こうしたイネイブラーのような人は、アルコール依存症に限らず、さまざまな嗜癖・依存症者の周辺に共通して見られることも明らかになったため、
「嗜癖者との関係にコミットして生きている結果として、自分の手に負えないようになった人」という、嗜癖者一般との関係性の病理を表す言葉として「共依存」という概念が成立しました。


2)定義
①1989年 アメリカにおける最初の共依存についての会議で、
共依存は、安全感とアイデンティティと自己価値観を得るための、強迫的な行動と承認探求に対する、苦痛を伴う依存のパターン」と定義され、
症状のカテゴリーとして認められています。

②イギリスの社会学者 A.ギデンズ
共依存症の≪人≫とは、安心感を維持するために、自分が求めているものを明確にしてくれる相手を必要としている人間。
つまり、共依存症者は、相手の要求に身を捧げていなければ、自らに自信を持つことができない。
共依存的≪関係性≫は、同じような衝動的強迫性に活動が支配されている相手と、心理的に強く結びついている間柄」

③そこで私は、未だ混乱していて難解とされている共依存の概念を、以下のように定義づけることにしました。
*共依存関係二者関係を指す言葉
・(アルコールのように)問題を起こすことで相手を支配しようとする人と、その人の世話をすることで相手を支配しようとする人 との関係
・他人に頼られていないと不安になる人と、その人をコントロールしようとする人 との関係
・愛しすぎる人と、愛されている必要のある人 との関係

☞「あの二人、共依存関係だね」(;´・ω・)(・・;)ネ~


*共依存症:個人の病理を指す言葉
・他人に必要とされることを必要とする状態
・自己犠牲的な献身と、自己中心的な他者操作が混在している、他者へのコントロール欲求

☞「あの人、共依存症だね」(;´・ω・)(・・;)ネ~



3.共依存のチェックリスト
次のうち、5つ以上の項目がいつも当てはまる場合、あなたは共依存者(コ・ディペンデント)かもしれません。

□自らを犠牲にして相手を助けたり、世話をしたりする
□相手の行動、感情、考え方、状態、結果を変えようとコントロールする
□問題や危険が起こっているような人間関係に巻き込まれていることが多い
□依存心が強く、一人でやっていけるという自信がなく、見捨てられるかもしれないという不安に駆られる
□ある特定の相手のことで頭がいっぱいで、視野が狭い
□自分の失敗は大したことがないと思ったり、嫌なことは見て見ぬふりをしたり、表面は何でもないように振舞う
□相手とのバウンダリー(境界線)がはっきりせず、相手が落ち込んでいると自分も気分が落ち込んでしまったりする
□個人の問題にのめりこんだり、相手からの精神的・性的・身体的侵入を許してしまったりする
□罪の意識に襲われやすく、相手の問題は自分のせいだと思い込んでしまいやすい
□過去の人間関係の間違いから学ぶことができず、同じ間違いを繰り返す傾向がある
□被害者意識に囚われ、自分は犠牲者だと思い込み、弱々しくなる
□自分の周りに害があるのに、波風を立てぬよう、問題を明らかにしない
□相手から離れられないでしがみついていることを『愛情』と取り違えている
□「こうあるべきだ」という社会の通念、または「こうなるはずだ」というファンタジーに囚われやすい
□相手の気分を敏感に察して、先へ先へと頭を働かせたり、心配したりする
□「ノー」が言えず、なんでもかんでも引き受けて疲れてしまったり、恨みが積もったりする
□責任感が強すぎて、何でもがむしゃらにやりこなす


いかがでしたか?
実際にチェックしてみると、アダルトチルドレンの傾向とかなり被る項目が多くて驚いたのではないでしょうか。

特にアダルトチルドレンの方においては、自分の中の「共依存症」性に気づくことが重要です。
その気づきこそが、大切なパートナーとつながるときに「共依存関係」に陥らないように警告を発してくれるのですから。
それによって、
「どうしたらいいのかわからない。どうすることもできない」が、やがて「どうにかできる」に変わっていきます。
気づきは克服の第一歩です。

一人でも多くの人が「自分の人生」を楽に、楽しく幸せに生きていけますように。
一人でも多くの方の、心からの笑顔を見たいと願っています❀

































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