AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: BASENAME: 2020/04/14/203951 STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 04/14/2020 20:39:51 ----- BODY:
----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: BASENAME: 2020/04/14/203941 STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 04/14/2020 20:39:41 ----- BODY: ----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: BASENAME: 2020/04/14/203931 STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 04/14/2020 20:39:31 ----- BODY: ----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: BASENAME: 2020/04/14/203920 STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 04/14/2020 20:39:20 ----- BODY: ----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: BASENAME: 2020/04/14/203906 STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 04/14/2020 20:39:06 ----- BODY: ----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: BASENAME: 2020/04/14/203851 STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 04/14/2020 20:38:51 ----- BODY: ----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: 不安について② #33 BASENAME: 2020/03/30/210646 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 03/30/2020 21:06:46 ----- BODY:こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
前回は多くの方を悩ませる『不安』という感情の正体について説明しました。
それにより、『不安』とは、人間が人間として生き延びていくためにDNAレベルに刻まれた、絶対に欠かすことのできない大切なものであるということを、ご理解いただけたと思います。
そこで今回は、その『不安』のもう一つの側面についてお話していこうと思っています。
2.不安の利点
例えば、あなたが資格試験を受検しようと決意した、と想像してください。
その受験日が来年の今頃であるならば、あなたにはまだ1年の期間があります。
この状況ですと、あなたに不安感はほとんどなく、心はかなりリラックスしています。
ですから、ややもすると勉強中に他のことに気をとられてしまい、なかなか集中することができなかったりします。
それどころか、明日、模擬テストが控えていたとしても、もしかしたら教科書も開かないかもしれません。
当然、模擬テストの結果は惨憺たるものとなってしまいますね。
ですから『不安感の不足した、リラックス状態』では、成績は上がりません。
その後、順調に準備を進めていって、受検日の1週間前あたりになると、ようやく緊張感が高まります。
すると同時に、集中力も高まって記憶力や問題解決力も上がり、勉強の効率が格段に上がってきます。
活動の効率を良好にする状態とは、神経がある程度張りつめて緊張はしているけれども、自分を保っていられる、『適度な不安』にある状態のことです。
つまり、『適度な不安』が注意力を高め、活動の効率を上げてくれるので、結果、良い成績をもたらしてくれるのです。
それが、試験の直前、不安が高まりすぎるとどうなるでしょうか。
例えば、鉛筆を持つ手は震え、配られたプリントに自分の名前を書くこともできません。
それによってますます不安は高まりますから、やがて設問が何を問うているのかも読み取れなくなってしまったり、しっかり暗記していたはずのことでさえも思い出せなくなってしまったりします。
注意力も低下させますから、普段であれば考えられないようなケアレスミスも引き起こしてしまうのです。
このように、高まりすぎた不安感は、さらなる不安へと関心を向かわせてしまいます。
そして高まりきった『過度な不安』は、注意力を散漫にし、記憶力を低下させ、結果、成績を下落させてしまうのです。

以上のことから、成績や作業効率を上げるためには『適度な不安』の存在が必要不可欠と言えます。
『過度な不安』はもちろんですが、『不安の少ないリラックスした状態』でも、効果は期待できないのです。
不安障害の方やうつ病の方、あるいは気質として不安になりやすい傾向にある方は、とにかくすべての不安を恐れてしまい、本来は活動の効率を高めてくれるような不安ですら、恐れるようになったりします。
不安の症状に関心が集中して、不安に歯止めが効かなくなくなり、逃げ出したくなるほどの恐怖に駆られてしまうのです。
どれほど苦しいことでしょう。
ですから、そうした苦しみから自分を解放し、楽に生きるためにも、『正しい不安の理解』が必要だと、私は思っています。
不安は、絶対になくなりません。
そして、適度な不安は、成績や業務効率を上げ、生活の質QOLの向上に寄与します。
不安は、私たちが健全に生きていくために必要不可欠な、大切なものなのです。
だからどうか、「不安をなくす」とか「不安をゼロにする」なんて目標を自分に課さないでください。
どうか、不安を過剰に恐れないでください。
不安に侵襲されることなく、いい塩梅に共存していけるよう、不安を育てすぎないような方法を身につけていただきたいと願います。
カウンセリング場面で習得していただいている、そうした方法についても、今後、ご紹介していけたらいいなと考えています。
不安と上手に付き合いながら、人生を生きやすいものにしていってほしいと、心から願っています。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
カウンセリングを受けている方に「今後、どうなりたいですか?」という質問をすると、多くの方が「不安をなくして、楽に生きられるようになりたい」と答えます。
過去の失敗体験や悲しい経験によって今を憂い、未来を不安に思っているのですから、これは至極当然の回答ですね。
ですが、この「不安をなくす」という目標は、誰にとっても到底到達できない、不可能な目標です。
そして、こうした不可能な目標を掲げているままでは、到達できない自分を責めるだけでなく、更にますます自己評価を下げていってしまうことにもなりかねません。
ですから、その目標を到達可能で現実に即した具体的なものに設定しなおすことは、カウンセリングを進める上でとても重要なことであり、継続していくための大切なモチベーションにもなっていきます。
そこで今回は、「ゼロにしたい」と願われがちな『不安』に関する2つのことを、できるだけわかりやすく説明していきます。
1.逃げるか戦うか反応 (逃走か闘争か反応)
私はいつも「太古の昔、人間が狩猟民族だった頃」を例えとして、以下の写真にある絵を、講義ではホワイトボードに、カウンセリングでは紙に描いて説明しています。
絵心が全くないので、ご覧のような棒人間と線描マンモスになってしまっていて、いつも笑われています。
こればかりは、いかんともしがたく。。。
どうぞご容赦くださいね。

ご存じのとおり、そのころ人間は集落を作って生活していました。
マンモスを1頭倒すと、その集落の何日分の糧になったのでしょうか。
とにかく、男たちは石斧などの武器を抱えて、マンモスをしとめようとしました。
野に出てマンモスの群れを見つけると、ある1頭に狙いを定めます。
すると彼らは、呼吸を荒くし、心拍数を上げ、手に汗を握り、筋肉をギュッと緊張させ…
「今だっ」と一気に襲いかかりました。
あるいは、そうやって襲いかかってはいくものの、相手のマンモスからしてみても、こちらはいい獲物です。
タイミングを間違えば、人間がマンモス達の餌食になってしまいます。
ですから、呼吸が荒く、脈は走り、筋肉がギュッと緊張していれば、たとえタイミングを逸して逆に襲われそうになったとしても、すばやく退散することもできました。
しかしこれが、もしも呼吸は穏やかで、脈も静かに打っていて、筋肉はだらっと弛緩していたとしたら、どうだったでしょうか。
狙いを定めても、その場所に着いたときにはマンモス達は遠く彼方まで逃げ延びていたでしょうし、
あるいは逆に襲われるようなことになったなら、まんまとマンモス達の餌食となって消えてしまっていたことでしょう。
ここで気づいてほしいのが「呼吸が荒く、脈も激しく打っていて、手に汗をかいて、筋肉が緊張している状態」です。
これはまさに『不安緊張状態』のことですね。
あるいは他方の、穏やかで弛緩した状態。
これは『リラックス状態』を示します。
つまり、私たち人間は、このように『不安緊張状態』を備えてきたからこそ、現代まで生きながらえることができたのです。
リラックス状態だけであっては、どこかで淘汰され、現在を生きていることはなかったに違いありません。
このように『不安』とは、人間がその生を全うし、次に続けていくためにDNAレベルに刻まれた、重要で必須なものだったのです。
いかがでしたか。
今回の説明を読むことで、
「不安は絶対になくならない。不安は生き延びるために必要不可欠なものだったんだ。だから、無理になくそうとしなくてもいいものなんだ」
と理解してもらえたなら幸いです。
次回は、2.不安にもある利点 についてお話していきます。
お楽しみに。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
さて、ここまで認知行動療法を進めてきたことで、自分自身の『自動思考』を掘り下げ、『認知の歪み』を把握することができたと思います。
そして、この認知の歪み、すなわち『歪んだ認知』のさらに下には『絶対的信念』といわれるものがあります。
認知の一番深いところに隠れて存在しているのです。
認知を図式化すると、下のようになっています。
自動思考
▲
歪んだ認知
▲
絶対的信念
絶対的信念とは、自分や他人や世界についての心の本質的欲求です。
生きづらさを感じている人は、常に、評価や条件や期待を伴わせています。
これがあるからこそ「自分を追い込んだり苦しめたりするような、パターン化された決まった考え方」をしてしまっているのです。
具体的には、以下のとおりです。
1.自分が他人から:
認められたい、愛されたい、受け入れられたい、褒められたい、大事にされたい、信じてほしいetc.
2.他人が、世界が:自分の思い通りであってほしい
このような絶対的信念は、たいてい子どもの頃からもっていると言われています。
子ども時代に継続的に体験したり、心の傷として残るような状況で固定化した信念は、自分を守るための真実として存在してしまうのです。
ですが、そうした信念は、取り巻く世界が広がった成人になった後でも役に立つものばかりではありません。
自分を守ってくれていたはずのものが、やがて無意識に自分を苦しめてしまう。
そんなことが往々にして起きてしまっています。
ここまで到達して、いよいよ私たち(クライエントとカウンセラー)は、最終段階の『新しい絶対的信念』の構築を目指します。
他人の評価に惑わされずに、「自分自身がどうしたいか。どうあればいいのか」を検討していくのです。
これも以下に具体的に挙げておきます。
1.他人の評価はどうあれ、無条件に、自分を:
認めたい、愛したい、受け入れたい、好きになりたい、大事にしたい、信じたいetc.
2.他人の評価はどうあれ、自分はどうあれ、無条件に
他人を、世界を:認めたい、愛したい、受け入れたい、褒めたい、大事にしたい、信じたいetc.
他人に、世界に:優しくしたい
いかがですか?
この最後の作業はとても難しいと感じるかもしれません。
実のところ私も、この段階を一人きりで完結させることは難しいかもしれないと感じています。
ただし、書物はそれぞれ「この作業も決して一人で行うことは不可能ではない」としています。
そして、それと共に「そのためには自動思考を変えるより長い時間がかかる。新しい信念を確信できるまでには時間をかけてたくさんの根拠を集める必要がある」とも謳っています。
いずれにせよ、努力は必要なのです。
また、こうしたカウンセリングだけでなく、休職者への職場復帰支援『リワークプログラム』に組み込んで実施していくときも、この認知行動療法の枠組みだけでは解決しえない問題が明らかになるケースにも数多く接しています。
ですから「リワークはただ日中を規則正しく過ごせるリズムと体力が備われば安全な復職を果たせるわけではない」と考えているのですが、これに言及すると話が反れてしまいますので、今後リワークをテーマにしたときにお話ししようと思います。
最後にきて否定的な意見を述べてしまいましたが、絶対的信念の強さは人それぞれですから、『反証』や『適応的思考』の習得段階で、歪んだ認知の修正が図れる人も、実際にはいらっしゃいます。
ですから、自分だけで新しい信念を構築することも不可能ではないと思っています。
ぜひ一度、認知行動療法に取り組んで、自分の認知の傾向を客観的に把握してほしいと思います。
そして、そこから先で、もしも行き詰まったら、カウンセリングという安心安全な枠組みの中で、カウンセラーという安心安全な人間と一緒に、自分を生きづらくさせている問題の解決に踏み出してほしいと願うのです。
7回という長きにわたりお付き合いくださいまして、本当にありがとうございました。
心から感謝しています。
すべてのひとが、自分の人生を楽に、楽しく愉快に幸せに生きていけますように。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
前回までのブログ #14・15・16・25・28 によって、認知行動療法で取り組む『7コラム』が終了しました。
初めて取り組んだ方は、1枚を仕上げるだけでもかなり大変だったと思います。
お疲れさまでした。
ただ、この認知行動療法は、生活する様々な場面で湧きおこる負の感情や思考と向き合って、
何度も繰り返し取り組むことが大切です。
諦めずに何度も繰り返し取り組むことで、ようやく効果を発揮し始めるのです。
ですから、努力がとても必要となります。
そうやって何度も繰り返していくうちに、自分に、ある「思考のクセ」が存在していることに気づきます。
その「思考のクセ」を認知行動療法では『認知の歪み』といっています。
歪んだ認知があるために、間違った受け止め方をしてしまって、多くのストレスを抱え込んでしまいます。
ということは、その歪んだ認知を把握して修正することができれば、ストレスは軽減し、人生が生きやすくなっていきます。
『7コラム』に数多く取り組んできたからこそ見えてきた『認知の歪み』。
ここでは10のパターンに分けて説明します。
認知の歪み
①全か無か思考(100か0か思考、白黒思考、二分法思考)
良いか悪いか、できたかできなかったか、好きか嫌いか、正しいか間違いかなど、二つのどちらかでジャッジしてしまう思考。
中間の、あいまいな、グレーゾーンの存在を認めない。
例)・1つでも失敗したら、全部失敗したのと同じ。だから1つのミスも許されない
②個人化(自責思考または責任転嫁)
悪いことや上手くいかないことが起きたとき、すべて「自分の責任だ」とか「自分が悪かったんだ」と考えてしまう。
たとえ、他者の責任や、誰のせいでもない偶然による事故など、コントロールできない出来事であったとしても。
或いは逆に、全てある個人のせいと考える場合もある。
例)・チームの失敗は、私の契約が足りなかったせいだ
・チームの失敗は私のせいじゃない。B男が全部悪いんだ
③破局的認知
根拠もないのに、「将来、最悪の結果が訪れるにちがいない」と確信してしまう。
不安障害に多い。
例)・昇進したら、きっとトラブルに巻き込まれて、そのうち降格されてしまうにちがいない」
・帰宅してしっかり手を洗わないと、絶対に怖い感染症にかかって死んでしまう
④感情的決めつけ
事実を無視して、そのときの感情のままに決めつけてしまうこと。
例)・不安なとき:数学で複雑な問題を解いたのに、「悪い結果にちがいない」と推測する
・寂しいとき:用事があるからと断られたのに、「自分が嫌われているからだ」と思い込む
・イライラするとき:「B男がダメな奴だからだ」と決めつける
⑤べき思考
自分や他人や世界は「こうあるべき」と思っている。
頑なな信念、ルール的な思考。
まじめで几帳面な人や、うつ病に多い。
⑥心のフィルター(選択的抽象化)
ものごとの全体を見ることができず、細かいごく一部に注意を集中させて、こだわり続けてしまう。
良い面を無視して、悪い面ばかりを見てマイナスに考えてしまう。
例)・先生やクラスのみんなから褒められたのに、たった一人に否定されたことで、「やっぱり自分はダメなんだ」と思い込む
・今つらいために過去の良かったことを忘れて、「人生にいいことなんて一つもない」と考え、悪いことばかり思い出す
⑦過度の一般化
わずかな出来事から、全てがそうであると一般化しすぎてしまう。
例)・大学受験で1校に落ちたとき、「この先何校受けたって落ちるにちがいない」と考える
⑧過大評価と過小評価
さほど変わらない状況なのに、根拠なく高く評価したり、低く評価したりしてしまう。
他人には寛容なのに、自分は極端に厳しく評価する。
例)・自分が失敗すると「やっぱり私はダメなんだ」と思い、同じことを他人がすると「仕方ないよ。大したことない」と慰める
⑨ラベリング(レッテル貼り)
多様な側面を大胆に単純化し、レッテルを張ること。
ネガティブなイメージを固定化してしまう。
例)・私は「ダメな母親」だ
・B男は「仕事ができないヤツ」だ
・夫は「人の話が聞けない人」だから、話してもムダと決めつける
⑩結論への飛躍(推論の飛躍、恣意的推論)
ある状況下で、適切な論理展開をせずに、ネガティブな結論に一気にジャンプしてしまう。
(a)読心的推論
他者に対する認知の歪み。
「相手は〇〇と考えているはずだ」と決めつける。
例)・B男は私のことを「変なヤツだ」と考えているはずだ
(b)予言的推論
将来に対する認知の歪み。
「将来は必ず〇〇が起こるに違いない」と決めつける。
例)・私は一生不幸なんだ。悪いことばかり起こるにちがいない
いかがでしたか?
当てはまる!と感じたものはなかったでしょうか。
もしあったなら、その番号に〇をつけてみてください。
一つだけではないかもしれません。
カウンセリングの場面では、全てに〇がついたなんていう方も多くいらっしゃいます。
しかしこれは、悪いこと、ダメなことなどではありません。
それだけ多くの歪んだ認知を抱えながら生きてきたということ。
とても生きづらかったと思うのです。
ですから、「よく張って生きてきたね」と、自分自身をねぎらって、褒めてあげてほしいと思います。
次回は『認知行動療法』の最終回です。
今回把握できた自分の思考のクセ、つまりは『認知の歪み』から、絶対的信念『スキーマ』を理解します。
そして、この先の自分が生きやすくなるための方法論をご紹介していきます。
お楽しみに。

朝の職場の最寄り駅。
満員電車から吐き出されて階段を上り始めたら、すぐ側をものすごい勢いで駆け降りていったサラリーマン。
気になって振り返ったら、閉まりかけた電車のドアの向こう側に、無事すっぽりと納まってました。
よかった〜。
うんうん、本当によかったね!
あなたも私も、今日もとってもいい日になるよ!
心の中で呟きながら、階段上る自分の顔がニヤけてることに気がついた、そんな素敵な朝でした。

こんにちは!
かなりの頻度で撮り鉄子になる、カウンセラーのながしまです。
突然ですが、RAS って知っていますか?
RASとは、 誰もが持っている、脳の素晴らしい仕組みの一つで、
Reticular Activating System = 網様体賦活系 といいます。
RASは、哺乳類の脳幹にある「網様体」という神経の集まりで、体の生命活動を維持するという、とても重要な働きをします。
そんなRASは、膨大な情報を仕分けて、その脳の持ち主であるあなたの望むことや、インプットされた情報について検索し、証拠を集めようとするのです。
例えば、私の30年来の友人が去年、タクシードライバーに転身しました。
その話を聞いて以来、外にいると、とかくやたらとタクシーが目に入ってきます。
まさに、これがRASのなせる技。
だって、いきなり同じときにタクシーバブルが起きたわけではないですからね。
あなた自身も、雑踏で他人の声に遮られることなく、一緒にいる相手の声だけが鮮明に聞こえて会話を楽しんだってこと、あるでしょう?
それです。
RASは自分に必要なことだけを取捨選択して届けてくれる、素敵な素敵なシステムなのです。

だから私は、RASという脳科学な事象に心惹かれて過ごしています。
言葉や想いというものを、大切にして生きていきたいと思うのです。
例えば、目が覚めて体を起こす前に、
「よかった、よかった。ありがとう!」
って、つぶやいてます。
そうすると、RASは私のために証拠を探し始めるから、本当に「よかったこと」が起こるのです。
本当に「よかったこと」に、目が向けられてしまうのです。
だから今朝、サラリーマンが滑り込みセーフ!を果たした瞬間が目撃できて、
「よかったなぁ」と心から思えてウキウキできたのも、このRASのおかげなんだと信じています。
きっとこれを世間では、『引き寄せの法則』なんて言うのでしょうね。

私はスピリチュアルや新興宗教は苦手です。
少しでも「胡散臭さ」が放たれていると、どんなに具体的で現実に即していることでも信じられなかったりします。
エビデンスに支えられたものしか信じません。
だからこそ、これは「脳科学的に」証明された事象だと納得したので、ご紹介させていただいた次第です。
ご安心を。
あなたもこれからは、朝一番に
「よかったよかった、ありがとう」
の口グセを。
楽しみながら、やってみてね。
----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: BASENAME: 2020/04/14/204120 STATUS: Draft ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 01/28/2020 18:32:29 ----- BODY: ----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: うつ病や不安障害に効く認知行動療法は自分でできる。⑤根拠と反証 #28 BASENAME: 2020/01/24/004156 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 01/24/2020 00:41:56 CATEGORY: 認知行動療法 IMAGE: https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rakuneko-naga/20200124/20200124003435.jpg ----- BODY:
こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今回は認知行動療法の要となる『根拠』と、醍醐味である『反証』および『適応的思考』について説明します。

1.根拠
1)感情を左右する、最も強い自動思考=【ホットな思考 ~#25】の理由となる、客観的事実。
2)あくまでも「事実」であって、解釈や想像ではない。
客観的な事実。自分の受け止めや意見ではない。
〇 「Nちゃんが私をじっと見つめた」は、事実。
✖ 「Nちゃんは私を変だと思ってじっと見つめた」は、
Nちゃんが「B子は変だよ」と口に出したのでなければ、事実ではない。
黙って見つめられただけなら、相手の考えていることがわかったように思えても、
それはただの想像。事実ではない。
このように、人は「思い込み」で、自分の思考を正しいと決めつけてしまうことがあります。
ですから、怒りや悲しみといったマイナスの感情に支配されたとき、「それを裏付けるこの『自分の考え』の根拠はどこにあるんだろう?」「自分の感じたことや考えは、本当に正しいのだろうか?」と、客観的に評価してみることが非常に重要です。
自分の意見ではなく、『客観的事実』や『経験』を見極めるのです。
つまりは、『自分の考えや思い込み』と、実際にあったこと『事実』を客観的に見て区別すること。
切り離す作業です。
この作業は、気分が高ぶっているときにはとても難しい作業ですが、自分の思考を客観視するための『要』ですから、頑張って取り組んでいただきたいと思います。
2.反証
1)反証とは、自動思考と矛盾する事実。反対の証拠。
自動思考は正しくないと否定する根拠。
2)新しい情報。見逃していた情報。ちょっとした情報。
これが加わるだけで、ものの見方が180度変わり、不快な気分ががらりと変わる。
例① B子がトイレから戻ると、友達が小声でひそひそ話していた。
↓
B子は悲しくなって、帰ろうとする。
↓
背を向けてドアに手をかけたら、名前を呼ばれた。
B子が振り向くと、花束を持ったNちゃんがいて、みんなで「お誕生日おめでとう!」と笑ってくれた。
↓
B子は嬉しくてたまらなくなり、「ありがとう」と言って泣き出した。
3)反証を見つけ出す手がかり:自分に以下の質問をする。
①もし家族や親友がそんな考えをもっていたら、どう言う?
②自分がその考えをもっていると知ったとき、家族や親友は何と言ったの?
③未来の自分が、そんな考えをもつ今の自分を見たら、何て言う?
④その考えにとらわれたとき、何をしたら気持ちが切り替わった?
はい、お待たせいたしました。
この『反証』からが、認知行動療法の醍醐味です。
人は、悪い方向に考えているときには、たいていそれを裏付けてあげるようなことばかりに目が奪われがちです。
それを、用意された質問を自分に投げかけてみることによって、見落としていたプラスの『事実』を見つけ出すのです。
そして、ようやく日の目を見た事実達は、必ずや、あなたの気分をプラスの方向へと導いていくことでしょう。
3.適応的思考
1)根拠と反証の双方をじっくり眺めて、浮かんできた新たな考え。
浮かんでこないときには、根拠と反証それぞれを要約して、「でも・だが・そして」で繋いでみる。
2)単なるポジティブシンキングではない。
単なるポジティブシンキング:友達は私を必要だと言ってくれないけど、どうってことない!
適応的思考:友達は私を必要だと言わないけれど、私と一緒に遊ぶことは楽しんでくれている。
4.今の気分をスケーリングしてみる
1)思考記録表(7コラム)の『気分①』がどのように変化しているかを測り、『気分②』へ書き込む。
2)無理のない適応的思考が得られれば、不快な気分は確実に下がっていく。
これで認知行動療法の方法についての説明は終わりです。
次回、ここから見えてきた自分の『認知の歪み』を把握し、歪んだ絶対的信念(スキーマ)を見つけます。
そして、『新しい信念』を創造していきます。
お楽しみに。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
前回はマインドフルネスについてご説明しましたが、今回はその方法である『マインドフルネス瞑想』と具体的なやり方について、お話しします。
『瞑想』と『マインドフルネス瞑想』の違い
「いま、この瞬間に気づく」という点においては、瞑想もマインドフルネス瞑想も違いはありません。
ただし、『瞑想』はその気づくこと、瞬間瞬間の体験に注意を向けることだけのために行うものだといいます。
行うこと自体が目的です。
比して『マインドフルネス瞑想』は、宗教色を排した、注意を集中するトレーニングであり、意識を呼び起こす方法であり、セルフヘルプの方法として位置づけられています。
目的というよりも、手段としてとらえられています。
けれども、マインドフルネスも、余計な期待や評価を持たずに、ただ自分が “存在すること” や “いま、あるがままの自分” に気づいて受け入れることを大切にしています。
これについては、J・カバットジン博士が著作の『マインドフルネスストレス低減法』の中で、「マインドフルネス瞑想法の基本的な7つの態度」として紹介しています。
機会があれば、ぜひ読んでみてくださいね。
たとえ目的そのものであっても、手段であっても、双方に優劣はないと、私は考えています。
今までないがしろにしてきた自分自身に気づき、ありのままの自分を「それでいいんだよ」と受け入れ、心から認め、瞬間瞬間の自分に意識を注いで、大切にしながら生きていく。
それが、豊かで実りある幸せな人生に繋がっていくと思っています。
『マインドフルネス瞑想』のやり方
ここでは、私がカウンセリング中に行っている方法をご紹介します。
①背筋を伸ばして座る
椅子でも、あぐらでもよい。
目は軽く閉じるか、薄く開けてぼんやりと前を見る。
手は力を抜いて太ももの上に置く。
※顎を引いて背筋を伸ばすと、自然に肩の力が抜けて、入れようとしてもなかなか入りません。
②深呼吸
鼻から大きく吸って、口からハァ~と吐く。
3~5回程度。気持ちいいと感じる回数で。
※パニック障害などの場合の呼吸法(呼吸コントロール)ではないので、吐くときを長めにというような指示はしていません。
③平常時の「鼻呼吸」に戻す
鼻から吸って、鼻から吐く。
呼吸が深くても、浅くても、どちらでもいい。
※大切なのは、注意の質です。
おへそのあたりに注意を向ける。慣れるまでは軽く手を添えてもいい。
息を吸ってお腹が膨らんだら「膨らみ」、息を吐いてお腹が縮んだら「縮み」と、心の中で確認する。
「膨らみ、縮み、膨らみ、縮み、、、」
※複式呼吸が難しい場合は、胸でも鼻腔でも、呼吸を感じられるところに意識を向けてください。
④意識が呼吸から離れて、考えていたことに気づいたら、再び呼吸に意識を戻す
意識が離れていた、思考していたということを、「悪い」「ダメ」と評価しない。
離れていたことを、ただ、ありのままに受け入れるだけ。
姿勢が前かがみになっていることに気づいたときも、評価せずに、ただ直す。
※「考えてはいけない」や「頭を無にしなければいけない」は思い込みです。
※思考は出てくるもの。無理に止めようとするのは、心臓を止めようとするようなものです。
空に浮かぶ雲のように、川を流れていく葉っぱのように、思考は次から次へと浮かんでは流れていくのです。
※思考が離れていたことに気づいて、呼吸へ戻る。
この「瞬間に気づいて、戻る」ことが、非常に大切で意味のあることです。
⑤まずは以上を10分程度、毎日行う
マインドフルネス瞑想が終わったら、どんなふうに感じているかを観察する。
※実施時間は絶対ではありません。慣れてきたら、延ばしていってみてください。
いかがでしたか。
最初は「呼吸に意識を集中する」ことが難しいかもしれません。
けれども、あきらめずに続けていると、必ず変化した自分に気づくようになります。
自分の感情や思考に気づき、それに巻き込まれることなく、自分軸に戻って、生きやすくなれるのです。
おおらかな気持ちで、しばらく取り組んでみてくださいね。
だって、二か月もすれば、脳みそは変わるんですから!

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今回は『マインドフルネス』についてお話しします。
近年、グーグル、アップル、フェイスブック、ヤフー、メルカリ、丸井グループなど、多くの企業が、続々とマインドフルネスを導入しています。
また、ビジネス界だけでなく、医療・福祉の現場でも取り入れられるようになってきています。
マインドフルネスが、これほど注目を集めている理由には、
①集中力・生産性の向上
②問題解決能力の向上
③ストレス低減
④良好な人間関係の醸成
などがあるといわれています。
そして私自身、まだ一年ほどですが、実際に続けているうちに、
①イライラすることが顕著に減少した
②自分の感情に、客観的に気づけるようになった
③その感情に左右されないように、と考えるようになった
④体の凝りや痛みや変化に気づき、早めに対処ができるようになった
⑤ストレスを感じることが軽減した
⑥さらにポジティブで前向きになった
等々、明らかに感じられるプラスの変化がありました。
これらは自信を与え、生きやすさを実感させ、人生の質を上げてくれます。
そこで今回は、なぜマインドフルネスなのか?
そもそもマインドフルネスとはどういうものか?
どんな効果があるの? どうしてそんな効果が上がるの?
など、その意味や定義、効果、そして方法について、詳しく説明していきます。
マインドフルネスの歴史とエビデンス
マインドフルネスは、1979年にジョン・カバットジン博士が、マサチューセッツ大学医学部内にセンターを開設し、
医学的治療が困難であった慢性疼痛の対処法として、後にご紹介する『マインドフルネス瞑想法』を取り入れました。
以来、乾癬や高血圧、過食などの食行動の問題や、パニックなどの不安障害といった心理的な問題にも成果を上げたことから、瞬く間に世界へと普及していきました。
以降のマインドフルネスによる効果についての研究を、少しご紹介します。
・1998年発表 乾癬患者の瞑想群は、瞑想を行わない統制群に比して4倍の治癒をみた
・ウィスコンシン大学での研究では、EQ(心の知能指数)が瞑想群で高くなった
・インフルエンザ予防接種において、瞑想群では免疫系における抗体反応の強化が見られた
など。
また、マインドフルネス瞑想による脳の変化が、fMRI検査の画像によって、明らかにされてきています。
・扁桃体(怒りの中枢。脳のハイジャックと呼ばれる)の活動性を抑制
・前頭前野(脳の司令塔。冷静に考え、処理する部位。扁桃体のブレーキ)の活動性が上昇

このように、驚きの脳の変化が実際に起こっています。
さらにその脳の素晴らしい変化について言及する前に、まずはマインドフルネスについて、少しお話しします。
マインドフルネスとは、“いま” という瞬間を “意識的” に生きること
私たちはもちろん、現在(いま)を生きています。
けれども、その現在は、厳密な “いま、この瞬間” ではありません。
私たちはその多くを、思考にとらわれて過ごしているからです。
そして、その思考する対象はいつも、“過去“ や “未来” です。
「あのとき、こうしておけばよかった」とくよくよするのは過去のことですし、
「また嫌な思いをするかもしれない」と心配をするのは未来のことです。
過ぎ去った過去を悔やんで、まだ来てもいない未来のことを悩んでいます。
あるいは、痛い痛いと体の痛みに支配されて、いまこの瞬間に、他の臓器が静かに働き続けてくれていることや、呼吸を続けていることには思いが至りません。
このように私たちに備わっているマイナスの特性、つまり、過去や未来に注意が飛んでいってしまったり、体の症状に左右されて支配されてしまうといった特性を『マインドワンダリング(心のさ迷い)』といいます。
こうしたマインドワンダリングの状態にいる人は、気がかりなことに意識が飛んでいってしまっているため、ほとんどの時間を十分に意識しないまま過ごしています。
また、そうやって無意識に過ごしているため、今とらわれている不快な感覚以外の、体が発している様々な大切なサインにも気づけなくなってしまっています。
こうした無自覚な無意識は、私たちを機械的に、習慣的に、物事を見たり行ったりして過ごすという『自動操縦モード』にさせてしまいます。
それは自分に無理な負荷をかけ続けていくことになりますから、やがて、うつ病をはじめとしたメンタル不全の状態に陥ってしまうようなことも少なくありません。
この自動操縦モードから『手動操縦モード』に戻すことが、マインドフルネスです。
手動操縦モードになるということは、自分の意志で、意識的に、物事を見たり行ったりして過ごすことができるということです。
それによって私たちは、自分の体や心について深く知ることができるようになります。
体が伝えようとしているメッセージを読み取ることができるので、適切に対処できるようになります。
心をありのままに見ることができるようになって、自分の感情を無理せず自然に取り扱うことができるようにもなるのです。
マインドフルネスの具体的な実践方法に、瞑想があります。
ここでいう『瞑想』とは、よく言われるような「無になる」とか「悟りを開く」とかいうような大仰なものではありません。
“いま、この瞬間” の自分自身に、注意を集中させるだけです。
その指標として、呼吸に意識を向け、注意を集中させるのです。
その詳しいやり方については、次回、ご紹介しますね。
では、ここでもう一度、脳との関係に戻って説明します。
『マインドフルネス瞑想』をすることで、なぜ脳が変化するのか
マインドワンダリングの状態に陥ると、不安や恐怖を感じて、脳の中の扁桃体という部分が反応します。
すると、脳から身体に指令が出されて、腎臓の上にある副腎からコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。
ストレスホルモンは心拍を早めたり、血圧を上げたりしてしまうので、心身に悪影響を及ぼします。
また、扁桃体が活発になることで、前頭前野が機能低下を起こします。
前頭前野は脳の司令塔の役割を果たしているため、機能が低下すると、冷静な思考や判断ができなくなってしまうのです。
ところが、最近の研究では、この状態にマインドフルネス瞑想が有効なことがわかってきました。
マインドフルネス瞑想が扁桃体の過剰な反応を抑え、それにより扁桃体のブレーキを緩めることができて、前頭前野の血流が増加し、機能が改善していくというのです。
それにより、再び現実を冷静にとらえることができるようになり、ひいては集中力や問題解決能力が上がっていきます。
ストレスも徐々に低減しますから、前向きに明るく穏やかに過ごすことができるようになっていきます。
以上のように、脳科学的にもしっかりとした裏付けがあり、エビデンスもたっぷりのマインドフルネス。
やってみない手はありませんよね。
最後に、『3分間呼吸』のエクササイズをご案内しておきます。
マインドフルネス瞑想の予行練習のようなものです。
ぜひ体験してみてください。
①座ったまま目を閉じて、力を入れずに背筋をまっすぐに伸ばします。
②呼吸に意識を向け、注意を集中します。
息を吸ったり吐いたりするときに、お腹の動きを感じながら、膨らんだら「膨らみ」、縮んだら「縮み」と合わせてください。
それが難しければ、「吸って吐いて」をワンクールとして、数を載せていくだけでかまいません。
吸って吐いたら1、吸って吐いたら2、吸って吐いたら3、、、というように。
③この状態を3分間続けてみてください。
いかがでしたか?
呼吸に意識を向けるというのは、初めてだとなかなか難しいかもしれません。
でも、毎日取り組んでいれば、必ず意識を向けることができるようになります。
大丈夫です。
まずは、 “いま、この瞬間” に意識を向けて、注意を集中させてみてください。
今日のこのエクササイズを皮切りに、二か月後には、あなたの脳は必ず変化しています。
ストレスフルな人達を対象に8週間のマインドフルネスプログラムを行い、その前後の fMRI画像を比べてみたところ、ストレス低減が見られた人は扁桃体が小さくなっていた、という2010年の研究もあるのですから。
“いま、この瞬間” に気づくことは、次の瞬間につながります。
そしてまた、その次の瞬間へと繋がっていきます。
今のあなたが案じている未来を変えられるのは、“いま” という瞬間を自分のものとして、意識的に生きるあなただけ、なのです。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
前回 #16で出された宿題の手応えはいかがでしたか?
ノートは用意できましたか?
ここでちょっと反省しています。
文字の説明だけで、具体例を提示していませんでしたから。
初めての方にはわかりづらかったと思います。
そこで、今更ですが、写真を貼っておきますね。
これは#22で載せた、社交不安障害を克服したB子さんのノート。
もちろん、写真は私の手書きサンプルです。。

それでは、今日のテーマ『気分と自動思考』に入ります。
1.気分を客観的に測定する。『スケーリング』
1)方法:一つひとつの気分に焦点を当て、0〜100%で評価する。
なお『スケーリング』は、先のブログ #15でご紹介したとおりです。
2)メリット:
①どのようなときに気分が変化するのか、が理解できる。
②この方法(認知行動療法)の効果を評価できる。
ここで重要なのが、1)の「一つひとつの」という部分です。
B子さんのノートの左側の部分のページを引用します。
「気分:焦り、情けなさ、自己嫌悪、悔しい、憤り」
この日、B子さんが友達との会話中に感じた焦りは、どのくらいだったのでしょうか。
丁寧に質問したところ、「焦りは70%くらい」と答えてくれました。
次の「情けなさ」は「90%」でした。
このように、一つひとつの気分にフォーカスして、0~100%で評価していきます。
よくある統計の円グラフのように「全てを足して100%」というものではありません。
2.自動思考を掘り下げる。
1)『自動思考』とは、自然に頭の中に浮かんでくる考えのこと。
2)方法:思考の掘り下げを行う。自分に以下の質問をする。
①それは自分がどうだということか?
②それは自分に、または将来の自分に、どんな意味を持つか?
③もしそうなったとして、最悪どうなると思うの?
④それは、他の人がどうだということ?
etc. etc...
3)方法:感情を左右する、最も強い『ホットな思考』を選んで、〇で囲む。
4)メリット:
①隠れている思考に気づき、整理することができる。
②陥りやすい思考パターンを確認することができる。
3.『思考記録表』の項目を3項目(状況・気分・思考)に絞り込む:『3コラム』
気分が大きく動くと、状況・身体・行動・気分・思考の5領域が影響し合っていました。
しかし記録を続けていくと、身体や行動が空欄になることも多々あったのではないでしょうか。
そこで次回からは、気分と思考(認知)に焦点を当てていきます。
言葉だけの説明ではわかりづらいと思いますので、再びB子さんのノートを引用します。

次回に向けて、この『3コラム』で自分自身を客観視してください。
そう、宿題です!
楽しみながら取り組んでみてくださいね。
こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
社交不安障害克服を互いの目標に掲げ、一緒にカウンセリングを頑張ってきたB子さんが、今回、とうとうカウンセリングを卒業します。
どうぞ、ドキドキわくわくしながら読んでみてください。
彼女のカウンセリングは、今回から2週に1回のペースへ延長となりました。
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【第9回】
前回までの2回のカウンセリングでは外すことができていたマスクを、再び着用している。
●
今週の月曜日の朝、電車の中で痴漢に遭って、怖くて途中で降りたの。
涙がぼろぼろ出た。
少し落ち着いたから学校は行ったんだけど、1限中にまた涙が出てきちゃって。
うつ伏せで頑張ったけどダメだったから、そのまま途中で帰った。
●
その後は、、、
今週は昼食がない、4限までの三者面談週間だから、またマスク着けたけど、毎日登校できた。
下校のときは友達と一緒に帰れて、一緒に遊ぶこともできたから、良かった。
帰りのバスを降りてから家までは、歩いて5分くらいだから、そこは毎日マスクが外せた。
行くときも、気分がいい日は、学校に着く直前まで外すことができた。
でも、学校ではまた外せなくなっちゃった。
マスクはストレス。本当は外したい。
外せないのは、自分の顔に自信が持てないことよりも自信を下げる。
外せたり外せなかったりで、イライラする。
こういう自分が大っ嫌い。
▶
痴漢に遭うというショッキングな出来事を経験した後でも頑張って登校したこと、
そして、マスクは着けていても、前日登校できたこと に焦点を当てて、しっかりと話し合った。
▶
認知行動療法は、『根拠と反証の挙げ方』について説明。
それも宿題に取り入れ、どんどん進度を上げることを希望された。
▶
『不安について』と『回復過程について』の心理教育を行う。
不安はゼロにはならないし必要でもあるもの、回復は右肩上がりの一直線ではなく波を描くこと を図表を用いて説明し、理解を促した。
▶
宿題は前回のものを引き続き実施し、次回カウンセリングも二週間ペースのままでやってみる ことで合意した。
退室のとき、
「私も心理を勉強したくなったの。絶対に大学で勉強したいから、出席日数と評価点を増やすって決めたんだ」
と、はっきりと、生き生きと語ってくれた。
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【第10回】
マスクをしていない。
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今週は、全部登校できた。
でも、マスクを外せたのは今日だけ なんだけどね。
▶
マスクはしていても『出席できたこと』を強化するために、共に『(認知行動療法)思考記録表』を作成。
前回の『反証』の理解を上げるために、思考記録表への取り組みに大半の時間を割く。
やがて表が完成すると、「私、よく頑張ったな」と評し、気分も見事に改善していた。
▶認知行動療法は次のステップ、『適応的思考と気分のスケーリング』へ入る。
▶
次回までの宿題は、
(1)『思考記録表』を1エピソードについてだけでいいので、自分一人で完成させてみる
(2)マスクをしてもいいし、遅刻や早退をしてもいいから、とにかく毎日登校する
(3)7月のテストでできるだけ良い点を取りたいので、数学と英語の先生に補習を依頼する
ことに決まった。
退室のとき、
「先生に言うの、めっちゃ緊張するー。でも、イヤとは言わせない自信あるんだ」
と、笑顔で語った。
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【第11回】
マスクはしていない。
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この前のカウンセリングから2週間、ずーっとマスクを外して、毎日登校した。
全クラス出られたから、不足授業数はクリアできた。
友達とお昼を食べたり、プリクラ撮ったり、思いっきり走れたりするから、もうサイコー!
お母さんもウキウキしてるのがわかるから、気持ちがすごく楽になった。
先生たちに補習もお願いできた。
数学なんて朝の授業前に1時間と、放課後2時間も勉強したんだよ。
●
この二週間は奇跡だー。今年一番頑張った! って思うよ。
▶
丁寧に、丁寧にコンプリメントする。
終結も視野に入れ、「今の自分」を評価してもらう。
A子さんのとき(ブログ#20)に出てきたブリーフセラピーの技法の一つの、スケーリングクエスチョンというものを用いると、
「今はまだ7。まだ、自分の顔に自信が持てないっていう問題が残ってるから」と、自ら、残る問題を明確化してくれた。
▶
再び、共に『(認知行動療法)思考記録表』を作成すると、
「私、本当にすっごくすごーく凄く!変われたんだね。
自信がないのはまだまだ大きい って悲観してたけど、実は50%だったんだ。
ってことは、50%も自信が持てるようになってた ってことだもんね。
なんか嬉しい」
と、変化した自分を客観的に認め、しっかりと評価した。
▶
宿題は、
(1)『思考記録表』の完成を継続する
(2)「いま」を楽しむ! 自分なりに。無理をしないで、等身大に
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次回のカウンセリングは、さらに間隔を空け、1ヶ月後に延ばしてみることで合意した。
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【第12回】
マスクはしていない。
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今月1日から4日まであったテストのうち、初めの二日間だけはマスクを着けたけど、その後はもうずっとしていない。
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夏休みに入って夏期講習で忙しいんだけど、友だちはまた増えたよ。
担任からも「本当はダメだと思ってたんだよ。よく頑張ったな」って褒められた。
●
受験生だから、オープンキャンパスに行ったり、勉強したりしなきゃいけないんだけど、
高校生活も今年で最後だから、友だちとランチとか花火とか、今までマスクのせいでできなかったことをたくさん楽しみたい。
もう、自分の顔の悩みも、マスクに比べたらちっちゃいことかな。
ありんこだね。
▶
『認知の歪み表』から、自分が陥っていた認知パターンを確認する。
▶『認知行動療法』最後のステップ、『認知の3つのレベルを知る』へ入る。
囚われていた歪んだ信念(スキーマ)を振り返り、
新しい信念は
「人の格付けなんて要らない。人にはランクなんてない。
人を信じて、自分を信じることが一番大切」
だと、自ら修正を果たした。
▶
前回用いたスケーリングクエスチョンにも「9.5」と評し、合意の上、終結。
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いかがでしたか。
B子さんは、苦しい状況の中にあっても目標は捨てずにいて、そして書くことが好きな方でした。
そのため、彼女には認知行動療法が適当であろうと判断しての導入でした。
人は、《治りたい。治したい》の意気込みが強いほど、指標が定まると安心して、無理をしがちです。
ですから、カウンセラーはサリバンのいうところの『関与しながらの観察』が重要になる と、私は思っています。
彼女たちが、焦るあまりに無理なステップを踏まないように、最大限配慮しながら、共に喜び、共に進む。
カウンセラーは師ではなくて、伴走者。私はそう考えています。
焦らなくていいんです。大丈夫。
あなたが《変わりたい》と思って行動を移したとき、
例えばカウンセリングルームのドアを叩いたとき。
或いは、こうして関わるブログを検索したとき。
それを見て、例えば認知行動療法を一緒に初めたとき。
手前味噌みたいですみません。
けれどもそのとき、既に変化は始まっています。
これは本当です。
あなたが変化を起こしているんです。
自分を信じて、カウンセラーを信じて、カウンセリングを信じて、
まずは始めてみてください。
B子さんの記録を終えるにあたり、彼女の最後の言葉を。
〜終わっちゃうのは寂しいけれど、いつかどこかで、先生とおんなじ立場で再開したい。
夢は叶うんでしょ。だったら、絶対にまた会えるね〜
これを読んでくださっているあなたにも、B子さんの勇気と努力と愛とか夢とかいろんなものが、伝わることを確信しています。
心から感謝を込めて。
いつもありがとうございます。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今回は、B子さんのカウンセリング(その3)です。
彼女のカウンセリングは、現在も週1回のペースで行われています。
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【第5〜6回】
「今日は学校で課外授業だったから」と春らしい私服姿だが、
マスクは着けたまま。
●
宿題についての報告(2週間、同宿題を継続):
①(=4限までいて昼食は食べずに帰る日 が3日あればいい)は、5日間、毎日できた。
②(=下校時、天気が良ければ自宅近くの公園で or 雨なら駅のホームの隅で、ソイジョイを食べる)も、毎日できた。
●
初めは、マスクを外すだけでドキドキソワソワしたけど、だんだん慣れてった。
そういうときには、練習してた呼吸法もやったからね。
そしたら、食べた後も外したままで、家まで帰れた。
《やったー!》って気分だった。
●
昨日の朝は、駅までのバスの中でマスクを外してみた。
すごくバクバクしたけど、降りるまで着けないでいられた。
《ステップアップしたい》って思ったから、頑張った。
●
Nちゃんが「メンタルで入院してたことがある」って話してたときに周りを見てみたら、
みんな「へー」って言うだけで、誰も引いてなんかなかったよ。
カウンセラーさんが言ってたとおり、観察するって大事だね。
●
Nちゃんだけに思い切って「私のマスクは花粉症のせいにしてるけど、本当は人が怖いからなんだ。汗出るし」って打ち明けちゃったの。
そしたら、「私も病院通ってるし、良くなるまでしてればいいじゃん」って言ってもらえて、嬉しかった。
今までは《顔が広い子と付き合いたい》って思ってたんだけど、
今は、《顔なんて広くなくていい。落ち込んでるときに慰めてくれたり支えてくれる子、本当に心配してくれる子を大切にしよう》って思うようになった。
▶
丁寧にコンプリメントした後で、次回までの宿題を話し合って決めた。
宿題:
(1)次回カウンセリング前に、待合のソファでマスクを外す。
ただし、着けたくなったら、我慢しないで着けていい
(2)Nちゃんに、どうして病気のことを話せるようになったのかを聞いてみる
(3)眠る前にプリクラを撫でながら、1枚につき1回以上「Bちゃんが一番かわいい」と、広角を上げて笑った顔で言う
(4)ゴールデンウィーク中、自宅近くの公園で10分間、決めた音楽を聞いて過ごす。
他の曲が聞きたくなったら、変更してもかまわない
(5)下校途中にソイジョイを食べることは続ける
●
「また褒められたいから頑張る。嬉しいからね」と言って、元気に退室した。
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【第7回】
制服姿で、マスクはしていない。
驚いた私が褒めると、満足そうな笑みを浮かべた。
●
宿題は全部やったよ。
その他にも『マスクを外すための4段階メニュー』を自分で開発して、練習した。
それを2日ずつ進めて、とうとう昨日、家からマスクをしないで登校できたの!
けど、それに気づいて質問してきたのはNちゃんだけで、他の子はみんなスルーだった。
《もっとイジってよー》って思って、世の中の厳しさを知ったね。
今は、《よくやった、自分!》って思ってる。
●
だけどね、顔に自信がないのは全然変わらない。。。
▶
『(認知行動療法)思考記録表』を共に作成し、囚われている思考を明確にした。
その上で、次回までの宿題を話し合って決めた。
▶
宿題:
(1)毎晩、就寝前に「Bちゃん、かわいい」と、声に出して10回言う
(2)登校したら、友達と一緒に昼食を食べてから帰る
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【第8回】
今回もマスクはしていないため、丁寧にコンプリメント。
●
宿題は「午前中の出席ができて、友達と一緒にお昼を食べたら帰っていい」だったのに、頑張って6限まで居ちゃったよ。
そしたら疲れちゃって、水・木って登校できなかった。
今日は半日だったから《行けるぞ!》って思えて、マスクも持たずに登校できた。
やっぱり、無理はダメなんだね。
▶
確実に進歩していることを、お互いに確認し合った。
そうして、二人で決めた目標を、焦らずに一つ一つ着実にこなしていくことの重要性も話し合った。
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『社交不安障害』の説明も再度行い、無理をすることのデメリットを強調した。
▶
自信と進歩を実感できているため、次回のカウンセリングは2週間後に延ばしてみることで合意。
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いかがだったでしょうか。
これを読んでくださっているあなたにも、B子さんの勇気と努力とそれに相応する進歩によって、勇気が伝わることを願っています。
次回のB子さんには、再び新たな困難が降りかかります。
彼女はそれをどのように乗り越えていくのか。
楽しみにしながら、一緒に彼女を応援していただけたら、とても嬉しく思います。
心から感謝を込めて。
いつもありがとうございます。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今回は、B子さんのカウンセリング場面(その2)についてです。
今のところ、カウンセリングは週1回のペースで行われています。
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【第3〜4回】
制服姿で、マスクもしている。
着座するとすぐに、小学6年生のときに受けたいじめについて語り始めた。
●クラスにYちゃんというボス的な子がいて、彼女は私に「親友だよね」と言っていた。
おかげで私は《この子のそばにいれば、クラスでの私の地位は上がる》なんて安心してた。
その上、他の友達の格付けまでやっていた。
2学期のある日、Yちゃんから「放課後、遊ぼう」と誘われた。
だけど、何だかその日は遊びたくなくて、嘘をついて断ったの。
でも運悪く、そのあと外出するところを見られちゃった。
そしたら、次の日からYちゃんと周りの子たちからシカトされて、学校へ行けなくなった。
母や担任の先生が間に入ってくれて、ある日、先生がYちゃんを呼びだ出したの。
だけど先生は、「二人で話し合って」と言って、教室を出て行っちゃった。
結局、そのまま登校できなくて、しばらくしてからフリースクールへ通うようになった。
フリースクールでは、みんなが可愛がってくれたから楽しくて、毎日通うことができた。
●中学になって地元の学校に通ったけど、半分くらいしか行けなくて、2年の秋に転校した。
そこは、担任の先生は優しかったし、友達も良かったから、順調に通えた。
でも実は《もう失敗できない。小学校で出られなかった卒業式に、絶対に出る》って必死だった。
それなのに、3年の夏休みが終わったら、また急に怖くなって、行けなくなっちゃった。
ずっと家にこもってパソコンばっかりやっていたら、視力が1.2から0.1以下まで落ちた。
自分の容姿にも自信が持てなくなって、一日中、鏡の前から離れられなかった。
親のいない日中は、昼ごはんもそこで食べながら、ぼーっと自分を見ていた。
ただ、心配してくれてる両親には申し訳なくて、一年間ずっと平日の夕食は作っていた。
「ありがとう」と言われるのが嬉しかった。
結局、中学校も卒業式には出られなかった。
●だから、高校に入ったときから固く決意してたことがある。
《高校では、絶対に絶対に友達と遊んで、思い出をたくさん作って、必ず卒業式に出るんだ》って。
それなのに、また、こんなふうになっちゃった。
●でも、先週の金曜日と今日は、学校に行けた。
そしたら、友達が「一緒の授業をとろう」って席まで来てくれた。
遊ぶ約束はドタキャンしたし、メールに返信もしなかったから、《嫌われた》って思ってたのに。
嬉しかった。
今週の残りの学校は、午後1時から3時までだけだから行けると思う。
◆課題の『(認知行動療法)思考記録表』

1)
状況:4月13日(金)、登校時、友達と会話中
身体:人目が気になって、キョドった
気分:焦り、情けなさ、自己嫌悪、悔しい、憤り
行動:できるだけ普通なフリをした
思考:・久しぶりの学校で疲れた
・みんな「春休み、ずっと学校来てたー」だの、
「風邪ひいて、ランド行けなかったー」だの言ってて、いいな。
・みんな楽しく過ごしているのに、私は? 情けない。
・いつか、きっと、みんな離れてく。。。
2)
状況:今日の午前中、学校で、
友達が「一緒の授業とろー」って言いながら、私の席に来てくれた
身体:汗出た、涙出そうだった
気分:うれしい、ビックリ
行動:キョドってたかも
思考:・遊ぶ約束ドタキャンしたし、メール無視してたから、《嫌われた》思ってたのに。
・ちょっと元気になりました♪
▶話し合いにより、次回までの宿題を、
(1)来週は『4限までいて、昼食は食べずに帰る日』が3日あればいい。
(2)その日の帰りは、
①天気が良ければ、家まで8分ほどの公園のベンチで、
②天気が悪ければ、駅のホームの隅で、
SOYJOY(ストロベリー)を食べること。
と、決めた。

自分で宿題を決められるなんて凄い!と、楽しそうに考えていた。
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いかがだったでしょうか。
いじめの話で始まったので、最初こそ泣いていましたが、話題が高校に移ると、自分で涙を止めました。
そして、私が中学時代の夕食作りを褒めると、笑顔まで見せてくれました。
宿題の『思考記録表』をやってきたことも嬉しかったものですから、称賛のシャワーを浴びせました。
だって、初めてなのにこの記録表、凄くないですか?
『思考記録表』は、自分の内面としっかり向き合うためのものなので、正解不正解はありません。
とにかく取り組んでみることが大切です。
これを読んでくださっている方たちにも、B子ちゃんの勇気とパワーが伝わっていきますように。
ありがとうございました。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
さて、今回は、社交不安障害を克服したB子さんのカウンセリングの実際について、ご紹介していきます。
ブログ13-A①(#18)でご紹介したとおり、
B子さんも十年以上前にカウンセリングに取り組んで、見事、社交不安障害を克服されました。
そして当時、『社交不安障害』の認識と理解を広めたいという思いに賛同し、論文にご協力くださいました。
そのときの経緯を記したものが手元にあるため、今回このように詳細にご紹介できる次第です。
前回のA子さん同様、彼女の意志に敬意を払い、
そして、現在も社交不安障害をはじめとした不安や抑うつ状態に悩むすべての方に、希望を持っていただけることを願いつつ、丁寧に記していこうと思っています。
また、彼女が決して特定されることのないように、イメージは保ちつつ、そのプロフィールには変更を加えています。
また、B子さんには『認知行動療法』をメインで取り入れましたので、
ブログ12 ①②③(#14〜16)で取り組み始めた方には、より参考になると思います。
それでは、ご紹介していきます。
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B子さんは、高校3年生です。
主訴(しゅそ:患者の訴えの中で、主要な症状のこと)は、
不登校、学校に行きたい、自分の顔に自信がない、マスクが外せない
などでした。
家族は、父親(50歳・会社員)、母親(50歳・会社員)、姉(20歳・大学生)との4人暮らしです。
カウンセリングのペースは、9回目までは週1回、10回目〜11回目までは二週間に1回、その後1ヶ月空けて、12回目に終結となりました。
【第1〜2回】
初回は、約20分の遅刻。
制服姿にマスク着用。
マスクの上から見える目は、二重でパッチリとしている。
●電車の中で寝過ごしてしまいました。すみません。(初回のみ)
●去年、2年生になってから、
《友達と近くで話すのが、少し嫌だな》と感じるようになった。
でも、頑張って明るい自分を演じて、何とか普通に過ごしていた。
10月に喫茶店でアルバイトを始めた。
駅に近いせいか、いつも混んでいて忙しかった。
やっと慣れてきた頃、店長から「接客は相手の目を見て」と注意された。
以降、忙しいときはいつも「何やってんだ」と怒鳴られるようになった。
12月頃から、レジ打ちのときに手が震え始めた。
だから、《失敗しないように。怒られないように。震えないように》ばかり考えるようになっていって、とうとう今年の1月末でそのアルバイトを辞めてしまった。
バイトが怖くなった頃から、友達との近い距離がますます嫌になり、2月から学校にも行けなくなった。
テスト期間は、マスクをしてテストだけを教室で受け、休憩時間は一人で過ごせる別室を用意してもらった。
マスクをした顔を見られるのが嫌。
自分の顔に全然自信がない。
●先月は、週に1回くらいずつだけ登校した。
その時は必ずマスクをして行った。
制服は可愛いし、学校も嫌いじゃない。
もう、今は春休み中なのに、今日こうして着てきたのは、制服と学校が好きだから。
今3年生で、体育祭や文化祭が最後だから、マスクを外して参加したい。
今は“花粉症”で通るけど、その頃まで着けていたら、みんなに変だと思われてしまう。
友達と遊んで、プリクラも撮りたい。
大学に行きたいから、出席日数も増やしたい。
−−− * −−− * −−− * −−− * −−− * −−− * −−− * −−−
以上が、初回と2回目の面接での内容です。
ずっとマスクは外しませんでしたが、落ち着いて私の目を見て話し、時折、笑顔も見せてくれました。
彼女は自信がなくて、強い不安感を抱いているにも関わらず、「学校が好き」と言い切って、意欲や希望をしっかりと持っていました。
素敵ですよね。
ですから、そのままを伝え、思いきりコンプリメント(称賛、労い)しました。
そして、このように目標が明確で、かつ、書くことも好きということでしたので、『認知行動療法』が適当と考えました。
説明すると、「やってみたい。治すためなら何でもやる」と即答だったため、
早速、導入が決まりました。
2回目には『認知行動療法』のプリントと宿題(ブログ12-③ = #16)を嬉しそうにバッグにしまって、退室していきました。
いかがでしたか?
今回は、マスクが外せないことが特徴的なB子さんのお話ですが、
実はこの、「マスクが外せない」という悩みは結構多いです。
顔の大部分を覆ってくれるだけで安心感が得られますし、何より、表情を隠すことができますからね。
モラハラで悩む方には、この効果を利用して、マスクの着用を対策の一つに提案しているほどです。
あ、これはここでは余談になりますので、また別の機会、ハラスメントについて触れる回で、詳しくお伝えしますね。
とにかく、顔や表情に自信が持てない人にとって、マスクはとても手軽で優秀なバリアです。
だからこそ、その安心なバリアを、B子さんはどうやって外すことができたのか?
そして、せっかくですから、B子さんと共に『認知行動療法』を始めてみませんか。
自分で対処できるようになるということは、いずれ、セルフカウンセリングができるようになるということです。
そうなれたら、今の病気が治った後でも、生きていれば必ず降りかかってくる様々な問題に、自分の力で対応できる、心強い手段となってくれるはずです。
では、また。
B子さんの挑戦はこれからも続きます。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今回は、A子さんのカウンセリングの後編です。
数ある心理療法のうち、
『ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)ブリーフセラピー』
というものがあります。
問題の原因を個人病理に求めずに、
相互作用の変化の促進により、問題解決に導く
という心理療法です。
「原因が何か」ではなく、
「今ここで何が起きているのか」を重視します。
原因追求しないため、短期間で解決できる とされていて、
エビデンスも挙がっています。
そのため、医療分野だけでなく、
教育・ビジネス・組織マネジメントなどのコーチングスキルとしても用いられています。
前回のブログのこの[第5回目]で、
この二週間の間に3つも辛いことがあった
と、A子さんは号泣していましたね。
このとき、ふと、そのSFAの技法の一つである
『ミラクル・クエスチョン』を投げてみようと考えました。
●病気が急に治ってしまった「奇跡の朝」を迎えたとして、
あなたはいつ、どこで、どんなことをしているときに、その奇跡に気づきますか?
といった、とても風変わりな質問です。
彼女は「フツウ」という言葉を何度も繰り返しては、
そうなれない自分を卑下して、責めてばかりいました。
一方で、人混みへの外出は非常に苦痛にも関わらず、
こちらが痛々しさを感じるほど積極的に、
毎回外出を試みていました。
本来であれば、不安緊張の度合いを下げてから、
適切なタイミングを見計らって、
スモールステップで進めていかなければならないところです。
でも、カウンセリングの度にやんわりとブレーキをかけるように努めても、
彼女は何度でも挑んでいました。
それは焦りだけではない、
彼女持ち前の行動力だったと思います。
だからこそ、そんな強い行動力をもつ彼女には、
突飛で非現実的に見えるアプローチの方が適していると思えたのです。
●やがて、A子さんは躊躇しながらも、しばらく考えた後、
奇跡に気づくのは、
目が覚めて、彼に電話したあと。
彼は朝が弱いから、
毎朝6時半にモーニングコールしてあげてるの。
いつもなら、電話を切ったらまた寝ちゃうんだけど、
奇跡の朝なら、お天気もすごく良くて、
何だか出かけたくなっちゃって、
お気に入りのワンピースを着て出かけるかな。
それで、《あれ、治ったのかな?》
って思うかもしれない
と、答えました。
その後も続けて『奇跡の一日』を詳細に
ありありと思い描いて語ってもらうと、表情がとても明るく変化していきました。
そして、その『奇跡の一日』の一部分をやってみることを宿題にしたら、
「おもしろそう」と、嬉しそうに引き受けてくれたのです。
この日の退室前の心理療法は、
『セロトニン・トレーニング』でした。
※セロトニンは『幸せホルモン』といわれる
脳内の神経伝達物質です。
これが多く安定して分泌されると、
不安も軽減して前向きになれるのです。
これについても、今後、お話ししていきたいと思っています。

【第6回】
愛らしい花柄のワンピースで入室。
●先月末の天気のいい日に、『奇跡の日』のつもりで家を出た。
以前、母と彼と友だちが「とても似合ってて可愛い」って言ってくれた、
お気に入りのこのワンピースを着て、あのショッピングモールに行ったの。
そこで、また同じくらいの女の子と目が合ったんだけど、
あんまり気にならなかった。
まだ、ちょっと怖さと恥ずかしさはあったけど、
いい感じだったと思う。
と、嬉しそうに話してくれました。
丁寧にコンプリメント(称賛、労い)した後で、
『回復過程』についての心理教育を行いました。
回復の過程は一直線の右肩上がりではないので、
たとえ揺り戻しがあったとしても大丈夫
ということを強化したかったからです。
これについても後日、ご説明していきますね。
そして話し合いの結果、
次回までに『奇跡の日』を2日作ってみること
が宿題となりました。
【第7回】
明るい笑顔で入室。
●この前のカウンセリングの次の日に、会社に行ってみた。
行く前は不安だったけど、ちゃんと呼吸法をやっていったから、大丈夫だった。
着いたら、みんなに笑顔で迎えてもらえて、嬉しかった。
社長に「戻ってきたら、やってもらうことが山ほどあるぞ」って言われた。
オッチャンには、「相棒がいないと寂しいよ」って言われたの。
オッチャンが、業者さんの変な話や、社長と奥さんの夫婦喧嘩の話、
私がいなかった間のおかしな話をしてくれて、笑い転げた。
それで、来月からの復職も決めてきちゃったんだけど、
もう、前みたいな不安はないから大丈夫。
早くオッチャンと仕事がしたい。
●彼の家まで、一人で電車に乗って行くこともできた。
Suicaを使うのも、他の人と目が合うのも気にならなかったし、
駅前のカフェで一人でお茶を楽しむことまでできた。
彼がプレゼントを買ってくれたときも、自分から店員さんに話しかけてた。
●両親も、彼も「もう大丈夫だね」って認めてくれた。
自分でも、そう思える。
ちょこっと頑張れば、こんなに変われるんだなって思う。
こちらの目を見て、元気よく、楽しそうに教えてくれました。
そしてこの日、
合意の上、集結となりました。
お疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。
いかがだったでしょうか。
私はスピリチュアルは好みませんが、
実質的効果に裏付けられているなら、
時にこうした「ミラクル」も、躊躇わずに使います。
そして、それが受け入れられるのも、
しっかりとした信頼関係が築かれたからこそ と思っています。
そして何より、
重ねるカウンセリングとその狭間の自宅での日々の中で、真正面から自分と向き合ったこと、
また、心理教育や合意して設けた宿題にも、真摯に取り組んだことで培った自信、
信用できる周囲への開示により、受け容れられて味方を得られた安心感、
そうした様々なことが、彼女を変えていきました。
彼女は、彼女自身で変化を起こしていったのです。
このようにカウンセリングは、
何を話しても大丈夫、何が出てきても驚かれないという安心安全な空間で、
納得しながら、納得のいくような無理のない自由な自分を取り戻していくことができる場 です。
どうか、一人で抱え込まないで。
安心して荷を下ろして と願います。
さて、次回もやはり、
社交不安障害を克服した女性について
です。
B子さんは、マスクを外すことができませんでした。
それは何故なのか。
そして、どうやって外せるようになったのか。
お話ししていこうと思います。
次回もよろしくお願いします。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
それでは、A子さんのカウンセリング場面、中編です。
彼女のカウンセリングは、二週間に一度のペースで行われました。
【第3回】
●前回、ここで喋ったら、気持ちがずいぶん楽になった。
そのせいか、近所のスーパーや花火大会に行っても大丈夫だったから、
先月末、社長に『そろそろ復帰できると思います』と、伝えてしまった。
だけど、おととい、母とショッピングモールに出かけたら、
また急に人が怖くなって、自信が全然なくなっちゃった。
と、力なく、涙を流しながら、小さな声でぽつりぽつりと話しました。
もちろん、まだとても早すぎる決断ですね。
でも、それを私が直接話すのでは、彼女の芽生えかけた自信を摘み取るだけになってしまいます。
彼女が自分で考えて、きちんと納得することがとても大切なことなのです。
ですから、また質問を重ねて、
自分の思考と向き合い、それを明確化してもらうようにしました。
すると、
●仕事をきちんとこなせるか、まだ不安でたまらない。
期待に応えられないと申し訳ない。
でも、自分から『行く』と言ったんだから、行かないと悪い。
と、答えました。
そこで、
A子ちゃんがそんなふうに考えていることを知ったら、オッチャンは何ていうかな?
A子ちゃんがそう言ったとき、社長さん達は何て言ったの?
と尋ねました。
しばらく考え込んだあとで出てきた答えは、
●無理しないで。もう少し休んでいいんだよ。
でした。
そこで、さらに、このまま復帰することのメリットとデメリットを具体的に挙げてもらったところ、
デメリットの方が多いことに気がつき、
A子さんは自分で復職を延期することを選択してくれたのです。
そして、退室前に『不安について』の心理教育を行い、
不安はゼロにはならないから、無理に消そうとしなくて大丈夫
ということを、心に留めてもらうように配慮しました。
※『不安について』は、まだ未紹介でした。
今後、『認知行動療法について』を再開するときに、早めにご紹介したいと思います。
楽しみにしていてくださいね。

【第4回】
●怖い気持ちは変わらない。
歩いたり、ご飯を食べたりしているときは、人の目が気になる。
転んだら恥ずかしいし、
かき氷を食べるときに、ブルーハワイやメロンのシロップで舌が変な色になることが恥ずかしい。
たこ焼きやドーナツを食べて、唇に青海苔や粉砂糖が付くのも恥ずかしい。
特に今、一番緊張するのは、駅でSuicaを使って改札を出るとき。
もたついて改札口が閉まったら、後ろの人に《何やってんだよ》って思われちゃう。
失敗して恥をかくのを他人に見られるのが、とても怖い。
と、下を見つめたまま、元気なく話しました。
ここでも、他者の立場にたった質問をして、客観的に考えるように促したところ、
実際には、今まで誰からも批判的な言葉をかけられたことはなかった ことに気づくことができました。
退室前には、不安になったときの対処法として『呼吸法』の心理教育を行いました。
一緒に実践した後、帰宅後も毎日練習することを宿題にしました。
これを習得することで、不安発作が起こったときを想像しても(予期不安に襲われても)、
《私には『呼吸法』があるから大丈夫》と安心することができるのです。
もちろん、対処して、不安を自分で軽減することができるようになります。
この成功体験は、とても重要です。
※『呼吸法』は、ブログ3の中で、
①落ち着きの呼吸 ②落ち着きのカウントダウン
として説明しています。
これは、不安になったときに、とても有効な対処法ですので、
不安障害の方でなくても、とても役に立ちます。
ぜひ、やってみてくださいね。
【第5回】
暗い表情で入室。
●3つも、つらいことがあった。
1つ目は、彼と夕飯を食べに行ったとき。
近くにいた酔っぱらいのおじさんと目が合っちゃったら、緊張して。
手が震えて、パスタを上手く食べられなくて、涙が出た。
2つ目は、友達とファミレスでランチを食べていたとき。
隣の席の、同じくらいの年の女性と目が合ってから、また緊張した。
手が震えて、息が荒くなって、泣きたくなった。
3つ目は、この前ここを受診したとき。
待っている間は、隅の席でウォークマンをして雑誌を見ていたんだけど、
他の人の話し声が聞こえた途端に、
《私のことを話してるのかな》って、怖くてたまらなくなった。
いつになっても、フツウになれない。
と、ぽろぽろと涙をこぼしながら、しゃくりあげて訴えました。
お疲れさまでした。
実はこの回、まだ続きがあるのですが、
かなり長文になってしまいましたので、この辺までとしておきます。
実は、この回から、彼女は変化を起こし始めます。
まさに、ミラクル。
ぜひ、この「ミラクル」という言葉を覚えておいてくださいね!
カウンセリングの醍醐味です。

----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: 社交不安障害を克服したA子さんの場合(前編) 〜カウンセリングの具体例〜 #18 BASENAME: 2019/12/10/122217 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 12/10/2019 12:22:17 CATEGORY: 社交不安障害 IMAGE: https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rakuneko-naga/20191210/20191210120329.jpg ----- BODY:
こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今日はいよいよ、前回のブログで予告していたA子さんの取り組みについて、ご紹介していきます。
彼女は前回ご説明したとおり、当時の私の発表論文に協力して下っさた方です。
彼女は「私の記録で、同じように社交不安障害で悩む方の役に立てるのなら」と、
快く賛同してくださいました。
そのため、それから十年以上たった現在でも、詳細に綴ることができるのです。
彼女の意思に敬意を払い、この場でも丁寧にご紹介していこうと思っています。
とはいえ、彼女のプロフィールは十年以上経った今でも特定されることのないよう、
イメージは守りつつも大幅に変更しています。
では、ご紹介します。
A子さんは18歳の町工場勤務の女性です。
主訴(しゅそ:患者の訴えの中で、主要な症状のこと)は、
他人の目が気になる、人が怖い、自分に自信がない
などでした。
父親(50歳、会社員)と母親(40歳、専業主婦)との3人暮らし。
【第1回】
医師の指示によって、カウンセリングについて説明したところ、
今後のカウンセリング導入を希望された。
仕事の作業着姿。髪は後ろできっちりと一つの団子状にまとめられている。
こちらの話に頷きながら、小さな声で返事をするのみ。
終始、緊張した表情。
【第2回】
前回とはうってかわって、女性らしい装いで、可愛らしく可憐な印象。
薄化粧にウェーブのかかった長い髪を下ろし、痩身にレースのチュニックを着ている。

そして、しっかりと通る声で、生育歴(生まれてから今日まで育ってきた歴史)や
現病歴(今の病気や症状の、出現から現在までの変化)について話す。
ただ、視線はほとんど合わせようとはしなかった。
◆ 小学時代 ◆
5年生のとき、活発なMさんグループにいた。
ある日、突然、Mさんが、グループ内のKさんの悪口を言い出した。
それを見て、
《自分に回ってきたら、どうしよう。
それとも、知らないところで、もう言われているのかもしれない》
と、怖くなった。
それで違うグループに移ったら、その後は何事もなくて、楽しく過ごせた。
◆ 中学時代 ◆
●入学式の日から「臭い。毛深い」と苛められている子がいた。
私も「毛深い」と言われたことがあったから、
《どこにいても、こういうことがあるんだ》と思った。
●二年生になり、
Sさんの髪が細いので、男子が「ハゲ」と呼び始めた。
私の髪も薄いから、《言われたら嫌だな》と心配した。
でも、Sさんはその男子を追いかけ回していて、羨ましかった。
●二学期になったある日、突然、ぽっちゃりめで明るかった友だちが、「顔がでかい。暑い」と言われて、不登校になってしまった。
それ以来、《クラスの人にどう思われているのか》ばかり考えて、怖くてたまらなくなった。
●男子から、「大根足」と言われた。
ショックだった。
だけど、必死で聞こえないふりをしていた。
でも、三年生になっても、その「大根足」と言われたことが忘れられなくて、
《陰で言われてるんじゃないか》という恐怖心をずっと引きずっていた。
●お気に入りのブランドの紙袋を持っていたら、ある女子に「うわっ」と言われて、
《あの店の服を私が着ちゃいけないのかな》と思った。
完全に容姿に自信がなくなって、頭痛や腹痛、吐き気もしてきて、二週間学校を休んだ。
その後は頑張って登校したけど、休み時間になると、美術室に逃げ込んで、他の人達と関わらないようにしていた。
◆ 高校時代 ◆
大好きな美術専科だったし、友達もできて楽しかった。
でも、友達はお金持ちの子が多くて、絵を職業にするには無理だ と思うようになった。
《自分の力はそこまでじゃないし、目標もないのに無駄かな》とも考えるようになって、退学を意識し始めた。
結局、親も先生も反対したけど、2年生になる前に辞めた。
◆ アルバイト時代 ◆
それからすぐアルバイトを始めたら、新鮮で楽しかったし、
収入があるから洋服やアクセサリーが買えて、外見にも自信が持てるようになっていった。
だけど一方では、やっぱり、他人と目が合うと見られているような気がしたり、
相手が複数だと笑われているような気がしたりして、
歩く姿勢や目のやり場に困るようになってしまっていた。
◆ 現在 ◆
人が怖いので、去年、従業員が少ない町工場に転職した。
社長と奥さんと、オッチャンしかいない。
あとは内職さんだから、工場にはそれだけ。
社長も奥さんもオッチャンもみんな、50代くらいだと思う。
オッチャンとは何だか初めから気が合って、休憩時間はいつもお喋りしてた。
社長と奥さんも基本的には優しくていい人なんだけど、
社長と業者さんとのピリピリしたやり取りを見たり、時々注意されたりするうちに、
《孤立してるかも》と不安になって、
会話や笑い声が気になり始めた。
そのうち動悸もするようになって、工場に行けなくなった。
それで先月、思い切って受診したら、先生から休職を勧められたので、今月から休んでいる。
この前、カウンセリングの説明を聞いて、
《薬に頼るだけじゃなくて、自分でも何とかしたい。フツウになりたい》
と思った。
以上が、カウンセリング2回目までの様子です。
勇気を出して来談してくれたことに敬意を払い、心をこめて傾聴しつつ、知りたいことはどんどん質問しました。
そして、その勇気を丁寧にコンプリメント(称賛、労い)したあとで、
『社交不安障害』についての詳しい説明を行いました。
※『社交不安障害』についての説明は、前回のブログ(13)に、簡単に記してあります。
未読の方は、是非、ご一読ください。
そして、ご理解いただけたら、とても嬉しいです。
また、最後の「フツウになりたい」の言葉は、カウンセリング場面において、とても多く聞く言葉です。
示し合わせたわけでも、知りうるわけでもないのに、です。
それだけ、不安障害の方たちが、自分をおかしい と考えて苦しんでいるのだと、
この言葉を聞くたびに切なくなります。
不安障害やうつ病など神経症圏の疾患は、必ず克服できる病気です。
《「病気」なんだから治る》と考えて、
怖がらずに受診して治療を受け、
カウンセリングで適切な知識を得ながら、克服に向けて歩んでいってほしいと願っています。
次回もA子さんについてお話しします。
第3回に続きます。

----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: 『社交不安障害』について #17 BASENAME: 2019/12/05/183724 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 12/05/2019 18:37:24 CATEGORY: 社交不安障害 IMAGE: https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rakuneko-naga/20191205/20191205214629.jpg ----- BODY:
こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今回は、これまでのカウンセリング経験の中での具体例を、少しご紹介してみようと思います。
もちろん、今後も『認知行動療法について』は並行して続きますし、
それが終われば他の心理療法について、或いは、心理的に有効な情報も併せて発信していく予定でいます。
うつ病や不安障害などの疾患は、本当に改善します。
治療とカウンセリングの両輪で進めていくことで、回復した方が本当に多くいらっしゃいます。
精神科や心療内科の垣根はずいぶん低くなりましたが、
カウンセリングというと二の足を踏む方は、依然、多いです。
海外に比べるとまだまだ閉じた分野ですし、スピリチュアルに特化した方が多く露出していることもあって、
胡散臭さを感じてしまうのかもしれません。
また、料金の高さもネックなのかもしれません。
ですが、
大切な自分の心の中を、医師よりも家族よりも誰よりも詳細に打ち明け、共に戦っていくのだから
と、考えていただけたらいいなと思っています。
その垣根の高さや、見えないがゆえの胡散臭さを払拭して、
一人でも多くの方に受診やカウンセリング体験をしていただきたくて、今回、具体例を提示してみようと考えました。

まず、『社交不安障害』でカウンセリングを受けて回復した、二人の少女をご紹介します。
その経過をかなり詳細に記すことができるのは、彼女たちが、当時の私の論文発表に賛同してくださった方々だからです。
当時、社交不安障害で悩むクライエントさんの多くは、息子と同世代の少年少女たちでした。
まさに「青春」を謳歌して然るべき年頃の彼らが、学校にも行けずに一人苦しんでいる。
そのことが私に、
「社交不安障害の認識を、理解を、うつ病と同じくらいに広げなければならない」
の使命感を与え、当時の私を突き動かしたのでした。
彼女たちは、十年以上も前にカウンセリングを卒業しました。
そして、しなやかにのびのびと今の「自分の人生」を生きている、実在する方たちです。

本来ならここで、彼女たちの話に入っていくところでしたが、
より深く理解していただくために、先に『社交不安障害』について説明することにします。
『社交不安障害』は、少し前までは『社会不安障害』と言われていました。
Social Anxiety Disorder 、略して SAD と表記します。
具体的には、人前で:話す・字を書く・飲食する・電話をすること
美容院・店・公衆トイレ・公共交通機関などを利用すること
(パニック障害と類似するが、原因思考は異なる)、
自分を紹介される、接客する等々の状況下で、人の目が異常に気になり、不安が高まる結果、
動悸・震え・発汗・赤ら顔やほてり感・声の震え・吐き気や下痢などの身体症状が現れ、
いつもの行動ができなくなってしまう というものです。
また、これらの状況に身を置くことを考えるだけでも強い不安を感じるため、
社交の場にも出られません。
しかも、彼らの多くはこれを「単なる上がり症」とか、「自分の性格の問題」とか、「気の弱さが原因。情けない」と考えてしまいます。
そして周囲も、「誰でも、人前に出たり人前で行動することはある程度の緊張を伴うものだから、それが単に強まっただけ」として、なかなか理解することができません。
そのため、受診もできずに一人で抱え込んでしまっていることが多いのです。
けれど、過緊張により自然な行動がとれないということは、私達の想像を絶するほどの、大変な苦痛です。
ですから、本人だけではなく、周囲の理解がとても重要となってきます。
以上が、社交不安障害の簡単な説明となります。
いかがだったでしょうか?
一人でも多くの方がこの『社交不安障害』を知り、正しく理解していただけることを心から願っています。
では、次回は、初めにお話した少女の一人、Aさんの実際の取り組みについて、ご紹介していきますね。
もちろん、頃合いを見計らって、『認知行動療法』も先へ進めます。
長文にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくお願いします。

こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
さて、これからは、
(1)自分自身を客観的に観察する
(2)自分自身の考え方の傾向を知る
(3)発想を転換する
(4)新しい考え方を獲得する
をテーマに、順次進めていきます。
そして、ブログの#14でお話しした、
「まるで公文や学研教室のように〜、教材のようなもの」を提示しながら進めます。
ただし、カウンセリングルームで使用しているものは個別性に富んでいて細かいため、
文章だけで説明するのは難しく、冗長になりがちです。
そこで、ここでは、以前リワークカウンセラーに従事していた際に、講座用に作成した
ダイジェスト版を参考にしながら、説明していきます。
では。。。
ここでも、ブログ#14を引用して、
3)思考と感情の具体的な関係性 で登場した、①電車が遅れて悲しんだAさんを
取り上げて、その状態を認知行動療法的に分析していこうと思います。
状況:11月29日(金)朝8時頃、出勤途中に電車の到着が遅れた。
身体:動悸、口の渇き、指の震え、汗
気分:悲しい、憂うつ
行動:ホームから電話をかけた
思考:会社に着くのが遅れてしまう。
やっと着いたって、どうせまた課長に怒られるんだ。
ああ、もう嫌だ。行きたくない。
このように、私たちの気分が動いたときには、
状況・身体・気分・行動・思考 の5領域が互いにリンクしていて、
影響を及ぼし合っています。
ですから、この5領域の関係が理解できれば、自分の問題も理解できるように
なっていきます。

以下は、5領域についての説明です。
状況:いつ、誰が、どこで、何を、どうした だけを完結に書く。
身体:生じた身体の反応。起きないこともある。
気分:簡単な言葉で表現される、心の状態。感情。ひと言で書く。

行動:やったこと。「何もしない」ときには、そのままを書く。
思考:自然に頭の中に浮かんできた考え。
言葉だけではなく、イメージや記憶のこともある。
それでは、次回までの宿題です。
ノートを一冊用意してください。
どんな大きさでも構いませんが、ルーズリーフのようにばらばらにならない、
綴じられたノートでお願いします。
あなたの気分が動いたときに、以下の方法で、簡単な日記を
書いてみてください。
①左端から3センチくらいのところに縦線を引きます。
②その線の左側に、上の5領域をタイトルとして書き、
右側にはそれに対応した内容を書いていってください。
上で例示した、Aさんの記述に準じます。
もちろん、マイナスの気分のときだけでなく、嬉しい楽しいといった
プラスの気分のときにも書いてみてくださいね。
毎日でなくても構いません。
カウンセリング場面では、書けなかった人には「なぜ書けなかったのか」
ということも材料になるので大丈夫、と話しています。
ただ、次回までに1つだけでもいいので、気分が動いたエピソードを
書いてみてくださいね。
注意するのは、ここでも「記入は必ず手で」です。
ブログ#15の最後の方でお話ししたとおり、手書きは脳を活性化させます。
そして「手で書く」という動作は、パソコンよりもずっと時間がかかります。
その要する時間が頭を整理し、激した感情を鎮めていってくれるのです。
やがて、この「書くこと」があなたのストレスコーピングの一つになり、
この認知行動療法のやり方を身につけることができた暁には、
あなたはもう、セルフカウンセリングができるようになっています。
そんな自分の姿をわくわくと想像してみてくださいね。
無理をしないで少しずつ、着実に、ともに進んでいきましょうね。
----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: うつ病や不安障害に効く認知行動療法は自分でできる② セルフモニタリングしてみよう#15 BASENAME: 2019/11/29/125323 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 11/29/2019 12:53:23 CATEGORY: 認知行動療法 IMAGE: https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rakuneko-naga/20191129/20191129124551.jpg ----- BODY:
こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今日は『認知行動療法』の二回目。
いよいよ、実際のカウンセリング場面に入っていきます。
1)自分の生活リズムを把握する
まず、あなたの「いま」の生活がどんなふうなのかを知るために、『生活リズム表』というものをつけてみましょう。

写真のように、色分けをします。
自分の好きな色や印でカテゴライズして構いません。
カウンセリング場面では、昨夜から今までの過ごし方を丁寧に尋ねます。
そうして返ってきた答えを忠実に表に記入して、二人で一緒に俯瞰して眺めてみます。
良いとか悪いとかのジャッジはしません。
①変化がつかめる
この時点では、生活リズムが乱れている方がほとんどです。
初めですからね、私は乱れていればいるほどイイと思っています。
この時のクライエントさんのつらさやしんどさがダイレクトに伝わってきますし、
今後必ず良くなっていきますから、そのときに自分の起こした変化の大きさを難なくしっかりと実感してもらえるようになるからです。
人は日々の変化には気づきにくいものです。
そして時間は流れていってしまいますから、きちんと書き留めておかないと、比べて評価することが難しくなってしまいます。
まして、自分を認めてあげられないうつ状態の方なら尚のこと、自分自身が良い方向に変化したなんて、考えようともしてくれないのです。
ですから、こうして表に残しておくことで、後に自分がどれくらい回復したのか、変化を遂げたのかをしっかりと認めてもらうことができるという、頼もしいツールなのです。
②気分を具体的に把握できる
次に、右端の『気分』を測定します。
これを『スケーリング』といいます。
上に小さく括弧書きしてあるとおり、5段階で測ります。
測るスケール(ものさし)は、あなたのものです。
「自分のものさしで、ものすご〜くイイ気分なら5。ヒドイもんなら1。自分にとってのフツウが3。自分のものさしだから、正解も不正解もありません。自分がこのときの気持を振り返って、感じるままにつけてみてください」
とお願いしています。
③客観視ができるようになる
そして、この「俯瞰して見る」ことや「スケーリングする」ことは『客観視』の第一歩です。
今まで無意識のまま過ごしていた一日に焦点を当てて、改めて見つめ直し、
「このときの“私”はどんなふうに一日を送っていたのだろう。どんな気分だったのか?」
と問いかけて、客観的に振り返って意識化していきます。
自分を客観的に冷静に見ることができるようになれば、自分の気分や考えに支配されて振り回されたりすることなく、本来の自分を取り戻したり、なりたい自分に成長していったりすることができるようになり、とても生きやすくなれるのです。
こうして、カウンセリング時間中に一緒に記入して理解を確認したら、
以降は毎回、次回までの宿題にします。
ただし、書けなければ書けないで構いません。
「書けなかった」という事実があったなら、
「どうして書けなかったのか?」を丁寧に聞いていきます。決して責めるのではなく。
だるくて、集中が続かなくて、やる気が起きなくて、、 などの理由を話してもらうことで、「いま」の状態をより詳細に知るための手がかりにできるからです。
④脳が活性化する
そして私は、カウンセリングにおいては手で書くことが重要だと考えています。
時折、パソコンで綺麗に印刷してくださる方がいらっしゃいますが、その労をねぎらいながらも、次回からは手書きをお願いしています。
パソコン操作時の指は数種類の動作しかありませんが、手書きの動作は非常に複雑なので、脳を刺激して集中力を高める効果があるからです。
いかがだったでしょうか?
うつ病や不安障害に限らず、自分を客観視するということはとても重要です。
そして、流れていく日々を、一日の終わりに振り返って意識化してあげることはとても有意義で、丁寧で豊かな暮らし方だとも思っています。
私自身、このリズム表のようなものとして、毎日を手帳に書き留めています。
ぜひ試して、そして継続していってくださいね。

次回は、3)自分に起きていることを観察しよう です。
お楽しみに。
----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: うつ病や不安障害に効く認知行動療法は自分でできる① 認知行動療法って何? #14 BASENAME: 2019/11/29/130816 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 11/29/2019 13:08:16 CATEGORY: 認知行動療法 IMAGE: https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rakuneko-naga/20191129/20191129130621.jpg ----- BODY:
こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
さて、あなたは『認知行動療法』を知っていますか?
この言葉を聞いたことはありますか?
一般に認知行動療法は、うつ病や不安障害に効果があると言われています。
また、そうした疾患だけでなく、ネガティブ思考や低い自己肯定感からの思い込みに支配されている方が、その生きづらさから解放されるためにも、とても有効な心理療法です。
そして、私が行っている認知行動療法は、まるで公文や学研教室のようにスモールステップで理解し納得して進んでいけることを目指し、出来るだけわかりやすく習得できることを心がけて、教材のようなものも用意しています。
それに、クライエントさんと私の二人で一緒に取り組むことにより、問題解決の方法を着実に身につけていきます。
やがて、いま抱えている問題が解決してカウンセリングを終結した後に、新たに出現した問題についても、今度はセルフカウンセリングができるようになっていくのです。
こうした『認知行動療法』についての様々を、今日からしばらくの間、できるだけわかりやすくご紹介していこうと思っています。
自分でも試してみたいという方や、認知行動療法カウンセリングを受けてみたいけれどイメージも湧かないので覗いてみたい という方は、ぜひご一読ください。
ずっと抱えてきた心身の不調や苦しみ悲しみから、少しでも早く、軽く、楽になっていけますように。
あぁ、生きやすくなれた。よかったと、一人でも多くの方が、安堵して自然な笑顔を浮かべられるようになることを願ってご説明していきます。
1) 認知行動療法とは?
読んで字の如し。
「認知(思考)を変えていくことにより、行動も変わっていく」
というものです。
心理学的に言及しますと、
フロイトによる原因探求の『精神分析』や、ロジャースの傾聴主体な『来談者中心療法』とは一線を画した、条件づけによる学習メインの『行動療法』に、
エリスの『論理療法』やベックの『認知療法』などの、認知(思考)に焦点を当てる療法を融合させたもの のことです。
また、「療法」とはいうものの、医療のみならず犯罪者の矯正や教育現場、そして人生における数々の悩みの克服など、多岐にわたって対応しています。
英語では Cognitive Behavioral Therapy と表記されるため、CBT と呼ばれています。
2)どんな人に有効なの?
主にうつ病や不安障害(パニック障害・社交不安障害・強迫性障害・全般性障害)の方にとても有効な心理療法です。
また、そういった疾患だけでなく、落ち込みやすい方・怒りっぽい方・不安になりやすい方・後悔ばかりして自分を責めている方、
そして、それらのために“生きづらさ”を抱えている方々にも、とても効果があります。
3)具体的に、「認知」と「行動」って、何?
ひとは、同じ状況下にあっても、生じる認知(思考)や伴う気分は異なります。
そして、その考え方や気分の差異によって、対処する行動も変わってしまいます。
例えば、
ある日の朝、出勤途中に電車が遅れたとします。
すると、「電車が遅れている」という同じ状況下でも、人はそれぞれとらえ方(思考)と、生じる気分が違います。
①Aさん:《悲しむ》
あー、また会社に着くのが遅れてしまう。
それに、ようやくたどり着けたって、どうせ仕事は山積みで、また上司に怒られてしまうんだ。
今日も残業しないと帰れないな。
②Bさん:《怒る》
おい、またか。
先週は車両故障で、今日は信号機トラブルだと?
いい加減にしてくれよ。
鉄道会社、怠慢すぎるぞ!
③Cさん:《喜ぶ》
やった、ラッキー♪
遅延証明がもらえるし、堂々と遅刻ができるぞ。
そんじゃ、あそこのカフェでコーヒーでも飲んで、のんびり行くか。
このように、とらえ方・考え方は三人三様。十人いれば十色です。
その思考の違いが、それぞれの心にそれぞれの負荷(ストレス)をかけていきます。
しかし、ここでより良い受け止め方(思考)やより良い対処(行動)ができれば、ストレスによって引き起こされる病気や心身の不調を未然に防いだり、悪化させたりしなくて済むようになれるのです。
このように、より良い受け止め方をして、より良い対処ができるようになるために、認知行動療法はあります。
いかがでしたか?
少しイメージがつかめたでしょうか。
興味が湧いてきましたか。
やってみたいと思っていただけたら嬉しいです。

それでは次回から、認知行動療法の実際に入っていきますので、お楽しみに。
----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: カウンセリングの実際③ 時間・料金・見通し(回数) #13 BASENAME: 2019/11/22/235919 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 11/22/2019 23:59:19 CATEGORY: カウンセリングの実際 IMAGE: https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rakuneko-naga/20191122/20191122235439.jpg ----- BODY:
こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今日も前回に引き続き、『カウンセリングについて』の、その3 です。
私が行っているカウンセリングの実際 については、今回が最後となります。
3)時間、料金、見通し(回数)
①時間と料金
私が勤務しているクリニックは、50分で10,000円です。
他のところもリサーチしましたが、50分・8,000〜12,000円辺りが相場のようです。
高いと感じる方も多いと思います。
実際、安いものではないと、私自身も感じています。
ただ、もしかしたら墓場まで持っていこうかと思っていたような秘密を話すこと。
それも、何のしがらみもない相手に、漏れる恐れのない安全な空間で、安心して秘密の暴露ができること。
自分のペースで、思う存分自分と向き合いながら、なりたい自分に変化していけること。
或いは、自分でも想像もしなかった自分に出会い、その先の人生を納得して、満足しながら心地よく生きていけるようになれること。
だとしたら、いかがでしょうか。
それでも、カウンセリングは受けてみたいけれど、そんなにお金も時間もかけられない というのであれば、それも遠慮しないで話してほしいと思います。
ペースで調節することもできるからです。
例えば、カウンセリングの頻度を月に1度だけというように、話し合って決めることができます。
そうやって、もしも次回までに1〜2ヶ月も空いてしまうというのであれば、来れない期間に一人で取り組める宿題を出し、自分と向き合う作業を続けていてもらうことも可能なのですから。
②見通し
全くの私見ですが、12回前後で終結することが多いように思います。
と書いてるそばから、そういえば あのクライエントさんは24回目で終結したんだっけ なんて思い出したり。
うつ病のため初診直後にお会いして、限界超えを感じたので、すぐに休職を勧めた方でした。
発症のきっかけは会社の人間関係でしたが、昔から対人場面が苦手。
次第に母子関係に問題があることがわかり、いわゆる毒親や愛着障害ですね。
初めは泣いてばかりでしたが、5回を過ぎた辺りから涙を流すことはなくなりました。
その頃から本格的なリワークも開始し、無事に復職。
良好に仕事に戻れて、母親とも適度な距離が取れていることを十分に確認して終結した方でした。
合意による終結。この場面の喜びは、何ものにも代えられません。
本当に大雑把で大変恐縮なのですが、私の場合、12〜20回程度で合意の上終結するのが平均的だと感じています。
以上、3回に分けて、私の場合のカウンセリングの実際についてお話ししてきましたが、何となくイメージをつかんでいただけたでしょうか?
恐れずに、気軽にカウンセリングルームのドアを叩いてほしいと思います。
一人きりで暗いトンネルの中を彷徨わないで、どうか伴走者(カウンセラー)を求めてほしいと、心から願っています。

さて、次回からは、カウンセリングで取り扱う代表的な心理療法である『認知行動療法』をテーマに、詳しくわかりやすくお話していきたいと思っています。
どうぞ、お楽しみに。
----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: カウンセリングの実際② カウンセリングの進み方 #12 BASENAME: 2019/11/21/235844 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 11/21/2019 23:58:44 CATEGORY: カウンセリングの実際 IMAGE: https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rakuneko-naga/20191121/20191121235758.jpg ----- BODY:
こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今日は、昨日から始まった『カウンセリングについて』の、その2です。
カウンセリングの実際場面での進み方について、お話ししていきます。
2)カウンセリングの実際
(1)初回面談(インテーク)
①挨拶と自己紹介を行います。
といっても、
「はじめまして。カウンセラーの ながしまです。
よろしくお願いします」
のような感じで、とってもシンプルです。
②カウンセリングについての説明をします。
「こんな小さな部屋ですけれど、ここで語られることは、絶対に外へは漏れません。
ただし、例えば治療上、医師との共有が必要と感じたときには、主治医へ報告することがあります。
あるいは、命の危険を感じた場合には、医師はもちろん、ご家族との共有もあり得ます。
ただし、そうした場面でなければ、たとえ親御さんや上司が同行されていても、私は勝手に喋りません。
必ず事前にあなたに確認して、あなたが話してもいいと承諾したことだけしか話しません。
カウンセリングは、誰にもどこにも漏れない安全な空間で、安心して何でも話すことができる場なのです」
③カウンセリングに来ようと思った経緯を丁寧に伺います。
「心療内科やカウンセリングというと、まだまだ垣根が高く、よくわからない不安な場所というイメージが強いと思います。
けれど、こうやって来て実際に見てみると、実はその辺のクリニックと大した違いはないと感じられると思うのです。
とにかく、そうした不安な気持ちや高い垣根を越えてまでここに来てくれたのには、きっといろんなことがあったのだと思います。
そのいろんなことやいろんな思いを話してみてください。
どこからでも構いません。上手に話そうとか、順番にきちんと話そうとか思う必要は全くないので、大丈夫です。
何が出てきても、どんな話し方でも大丈夫なので、安心して話してみてくださいね」
そして私はペンを持ち、聴き取ったことを紙に書きながら、また、聴き進めます。
私の記憶はとても曖昧ですから、しっかり記録に残します。
また、特に初めての方は、ただじっと見つめられたり聴き入られたりするよりも、ずぅっと気が楽だと仰ったりもします。
それに、前のカウンセラーは次の回には全然覚えていなくて、まるで初めてみたいな顔をされて悲しかった と吐露する方も、実は結構いらっしゃいます。
同じカウンセラーとして、申し訳ないことだと思います。
④カウンセリングを行う目標を明確にする。
勇気を出して受診して、思いきってカウンセリングを受けたということは、もう既に自分自身で変化を起こしているのだということを伝えます。
その上で、カウンセリングを受けることで更にどんな変化を起こしたいか、つまり「どうなりたいのか」を考えてもらいます。
未来の自分を明確化することで、過去の自分にケリをつけ、今の自分を大切にして真摯に向き合うことができるようになるのです。
もちろん、その目標は漠然としていても構いません。
ここで語った目標が途中で別のものへとシフトしていくことは多々あります。
やがて合意をもってカウンセリングを終結するときは、お互いに想像もしなかったような世界に立っていたりします。
カウンセリングとはドミノ倒しだと思っています。
私たちカウンセラーがドミノの初めの1枚をちょんと押すだけで、誰も想像できなかったような素晴らしい景色が見られるのです。

次回は、3)時間・料金・回数についてお話します。
----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: カウンセリングの実際① カウンセリングって、どういうもの? #11 BASENAME: 2019/11/20/222443 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 11/20/2019 22:24:43 CATEGORY: カウンセリングの実際 IMAGE: https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rakuneko-naga/20191120/20191120222357.jpg ----- BODY:
こんにちは。
カウンセラーのながしまです。
今日から三回にわたって、
カウンセリングとはどんなもので、
どういうふうに進んでいくのか、
時間や料金はどのくらいなのか、
どのくらいの期間が必要なのか、
といった よくある疑問について、私の実際と照らし合わせながら、お答えしていこうと思います。
1)カウンセリングとは
クライエントは、安心できる安全な空間で、安心できる相手(医師・カウンセラー)に、抱えている悩みや困りごとを打ち明け、気持ちに整理をつけて、その問題を消化して昇華し、納得しながら解決を目指していきます。
それは上下関係や師弟関係のない、対等でまっとうで健全な会話そのものです。
それによって、自分の人生を自分らしく、楽に軽やかに、自由に生きていけるようになるのです。
カウンセラーは、うつ病や不安障害(パニック障害・社交不安障害・強迫性障害・全般性障害)等々の疾患をもつ方々、悩みや苦しみを抱えている方々、理由はまだ見えないけれど いつも生きづらさを抱えている方々 の想いに耳を傾け、心をもって聴き、ともに解決を目指していきます。
そのためにカウンセラーは、原因探求型の『精神分析』、傾聴を基本とした『来談者中心療法』、条件づけによる学習メインの『行動療法』、その行動療法に『論理療法』や『認知療法』を融合させた『認知行動療法』他、ブリーフセラピー、ゲシュタルト療法、対人関係療法、内観療法、森田療法etc.etc..
といった様々な心理療法に精通し、抽斗に収め、タイミングをつかんで最も適切な心理的援助をしていきます。
そして、その適切な心理的援助とは、単なる傾聴やアドバイスではなく、機を逃さない適切な質問だと、私は考えています。
傾聴傾聴と、話の流れの速さや強弱も無視してただ聞いているだけなら、家族や友人や上司でも出来ることですからね。
カウンセラーが適当な機会に、適切な質問を重ねていくことで、クライエントは自らの問題を明らかにしてしっかりと対峙し、考えを整理して、新しい答えを見つけていきます。
そして、やがて自己肯定感が高まり、自分に自信が持てるようになり、物事を自分軸で考えることができるようになり、自分の人生を主体的に生きられるようになっていくのです。

次回は、2)カウンセリングの実際について、お話します。
----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: 予め「よかった」を言っていると、RASがいい働きをしてくれる #7 BASENAME: 2019/11/13/230231 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 11/13/2019 23:02:31 CATEGORY: RAS IMAGE: https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rakuneko-naga/20191113/20191113225246.jpg ----- BODY:
突然ですが私、自宅から最寄り駅までは自転車を使っています。
自転車は便利ですし、風をきって走る感じも心地よくて好きなのですが、それは平日の昼間の話。
朝の通勤時間帯は、何とか電車に間に合わせるんだ!の意気込みで、殺気さえ放ちながら走る人もいて、結構怖いです。
今朝も、駅に向かって直進していたら、ふいに右側の自転車が左折してきました。
ひょえ〜、汗。
後続の自転車がないことを確認して、左足を下ろし、その自転車がすぐ目の前を走り去るのを待ちました。
「ふぅ。よかった〜」って。
「事故が回避できたぞ。今日もいい日だ!」って、にんまり。
「たった十数秒、足をついて待てばいいだけなのにな。ご安全に〜」って、
彼の背中に念を飛ばしましたよ、笑。

こんにちは。カウンセラーのながしまです。
昨日のブログで書いた、RAS。凄くないですか?
今朝ももちろん
「あぁ〜、よかったよかったありがとう!」
と呟きまくって家を出てきたら、、、
エレベーターに乗り込むと、時折乗り合わせる女子高生がいて、とってもいい匂い。
挨拶の声も気持ちいいし、静かに深呼吸をしてウキウキしてたら、1階到着。
「どうぞ」って開ボタンを押したまま、私を先に下ろしてくれるのですよ。
なんていい子だ! ほんとにいい匂いだし♡ よかったなぁ。
早速こうやって
「あ〜、よかった」
って言葉が口を突く場面に連続して恵まれると、やっぱり驚きます。
そして、「凄いね、RAS。GJ、グッジョブ!」と感謝します。
RAS、網様体賦活系。
きちんと脳科学的に証明されている、脳の素敵なシステムです。
願えば叶う、思考は現実化する の根拠。
朝の「よかったよかった、ありがとう」な呟きと、心がけるプラス言葉。
「とりあえず今日一日言ってみるか」
くらいの気持ちでいいので、試しにやってみませんか。
わくわくしてたまらんらん♬こと、請け合いです。

----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: うつ病のひとと周囲のひとへ。休むことを許してあげて #5 BASENAME: 2019/11/11/233437 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 11/11/2019 23:34:37 CATEGORY: うつ病 IMAGE: https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rakuneko-naga/20191111/20191111222925.jpg ----- BODY:
こんにちは。カウンセラーのながしまです。
病人は、全ての義務から解放されるの。たった一つ、“休む”ということを除いてはね。

『対人関係療法』に「病者の役割」というものがあります。
健康な人には働いたり勉強したり家事をしたりという役割があるように、病者には病者の役割があるといいます。
よく眠りよく休み、消化のいい食事を食べて、治療に専念する。そして、自分の問題を理解して、少しずつ向き合っていく。それらが「病者の役割」だと、私は考えています。
とにかく出来るだけ多く、ただ休んでほしい。
どうしても家族や同僚たちに罪悪感が生じてしまって、自分を責めたり卑下したりしてしまうのであれば、
逆の立場で考えてみてください。
もしも、あなたの大切な家族や友人が、同じような状態で同様の罪悪感や自責の念を抱えていたとしたら、あなたは何と言いますか?
きっと、優しいあなたですから、
「大丈夫。会社のことは会社が、家のことは家族が何とかしてくれる。それに、そんな状態であなたが無理に頑張っちゃったら、周りは気を遣うばっかりでしんどいよ。今は自分のことだけ考えて。申し訳ないと思うのならば、元気になってから返せばいいよ」
とでも言うんですよね。
他人には優しいのに、寛容で甘くしてあげるのに、こと自分のこととなると厳しくなってしまう。
それに気づいて、どうか自分にも優しくしてあげてくださいね。

うつ病は、気のせいだとか、気の持ちようなんてものではありません。
脳の中の神経伝達物質、幸せホルモン・セロトニンや やる気ホルモン・ノルアドレナリン等の減少によって引き起こされる、れっきとした病気なのです。
だから、自分の病気を差別しないで。
つらいのに、とてもとても苦しくてたまらないのに、
見えなくてわかりにくい病気なものだから、甘えているとかって、自分を責める。
区別は必要なものだけど、差別はいらない。偏見も。
どうか自分を認めてあげて。優しく認めてくださいね。

うつ病も不安障害も、こういう病気はセンサーが不具合を起こしているだけなんだよ。
マラソンで例えると、この病気にかかってない人は疲れのセンサーが作動するので、「そろそろ疲れてきたから、この辺でペースダウンしよう」とか「少し楽になってきたから、またペースを上げていこう」とか調節ができるわけ。
だけど、そうじゃない人はこのセンサーの具合が悪いから、疲れているのにそれに気づかずにずぅっと同じペースで走り続けちゃう。
つらいよね。
だから、そのセンサーを直してあげることだけ考えてればいいんだよ。
----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: 悲しくないのに涙が出てきてしまうひとへ。『感情』について #4 BASENAME: 2019/11/10/225351 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 11/10/2019 22:53:51 ----- BODY:
こんにちは。カウンセラーのながしまです。
『祝賀御列の儀』、素晴らしかったですね。
私はパレードの開始時間に合わせてテレビを見始めたのですが、程なくして唐突に涙が浮かんできて、かなりボロボロ泣きました。
あぁ、日本人でよかったな。誇らしいな。嬉しいな。幸せだなぁ って。
そんな思いを感情を、心から噛みしめた、穏やかな秋の午後でした。
今日が休日で良かった!

でもね、こうした感情を持つことや それに気づけることって、実は当たり前じゃないんです。とてもありがたいことなんです。
カウンセリングをしてきて知ったのが、自分の感情がわからないひとの多さでした。
え?って思うでしょ。それって、おかしくない? って。
だって、悩みをもっているから、苦しいと感じてるからカウンセリングに来ているんですもんね。
けれど、初回面談で悩みや経緯について伺っているときや、認知行動療法を導入したときに、
「そのときはどんな気分でした?」とか「感情はどんなでした?」と感情にフォーカスしたりすると、答えられないひとが多いのです。
いえ、答えはするのですが、そのほとんどが「〇〇だから、こうなんだ」とか「私がこうだから悪いんだ」とか、そもそも文章で言う。
でもそれは考え、『思考』であって『感情』ではありません。
そして、それらの違いを説明した上でもう一度聞いてみると、今度は「わからない。感情がつかめない」と返ってきます。

私が休職や休学を勧める基準の一つに、「悲しくもないのに涙が出る」というのがあります。
つらかった出来事を語っている場面ではないのに、ふいに涙を浮かべたと思ったら、もう止まらなくなる。
そして、「悲しいわけでもないのに、すみません」と言って、また、泣く。
こうした症状がある方のほとんどは、既に不眠や食欲低下や倦怠感etc. に苛まれています。
心にもキャパがあります。
頑張るのにも限界があります。
心をコップで例えれば、その上にある水道の蛇口から じゃあじゃあと水が流れ込み、とっくに溢れ出してしまっている状態です。
これはもう、水道の栓を捻って、水の流れを止めてあげなければなりません。これが『休職』ないしは『休学』です。
そのまま何もせずに休んでくれれば、なみなみ溜まったコップの水も少しずつ干上がってスペースが生まれてくるのだけれど、それにしてもそれだけでは時間がかかり過ぎてしまいます。
そして、そうした時間の経過と共に焦りや不安が増幅し、反対に自分自身への信頼は小さくなる一方になってしまうのです。
ですから、私は迷わず休職や休学を勧めています。
迷うひとに無理強いはしませんが、でも次回もまたお話します。
私は結構しつこいです。
そして「休みたいけれど、会社(あるいは学校)に、いやその前に主治医に言えない」と躊躇する方には、「“カウンセラーに言われた”と言っていいから、主治医に話してみて。診断書が出れば、職場や学校には渡すだけでいいんだから。郵送だって大丈夫」と伝えます。
困り事は、自分の口で語るより、他人の口を借りた方が楽ですからね。

『感情』に戻します。
私がよくお話するのは、『感情と思考の関係』です。
感情は子どもであって、思考が親。
感情が「不安だ。怖いよ。疲れたよ」と言っているのに、
思考は「まだまだだ。そんなのは甘えだ。ちゃんとやらなくちゃあいけないよ」と諭す。従わせる。
すなわち、交流分析・エゴグラムでいうところのFC(フリーチャイルド、自由な子ども)≒ 感情 で、
CP(厳しいお父さん)≒ 思考 みたいに私はとらえていて。
でもそうやって話すと皆うなづいてくれるので、あながち外れてはいないと信じて説明しています。
子どもな感情を、厳しい親なあなたの理性的な思考が踏みつけてはいませんか?
自分の心が今、どんな感情にあるのか。
心が揺れ動いたとき、自分自身を点検して、観察してみてください。
そして、それに気づくことができたなら、
「あぁ、そうか。いま私は悲しいんだね。つらいんだね」って、ただただ感じてあげてください。良いとか悪いとかジャッジはせずに。
子どもなあなたの感情は、ただそれだけで落ち着きを取り戻します。必ず。
そうして、あなたは今まさに、変化の一歩を踏み出すのです。
感情に気づけることって当たり前なんかじゃなくて、実は本当にありがたいことなんです。

『祝賀御列の儀』。
アナウンサーが「車列」と口にする度に、サザンオールスターズ大好きな私の脳内では、桑田さんの『月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)』がリフレインしておりました。
現在(いま)がどんなにやるせなくても
明日(あす)は今日より素晴らしい
月はいざよう 秋の空
ミスター・ムーンライト
Come again, Please.
もう一度 抱きしめたい
----- -------- AUTHOR: rakuneko-naga TITLE: 不安緊張のときの対処法。呼吸をコントロールする #3 BASENAME: 2019/11/09/235141 STATUS: Publish ALLOW COMMENTS: 1 CONVERT BREAKS: 0 DATE: 11/09/2019 23:51:41 ----- BODY:
こんにちは。カウンセラーのながしまです。
東京タワーが令和の新ライトアップで彩られていますね。
しかも、今日明日は『祝賀御列の儀』特別プログラムとか。色とりどりに変わる様を見ていると、心が弾みます。
どうかどうか、令和が平和な時代でありますように。
さて。
昔の嫌な出来事が夢に出てきて、目覚めた後に不安と不快感に囚われてしまい、動悸がしてきて苦しかったという、うつ病のクライエントさんがいらっしゃいました。
また、現在は休職中で、職場と距離をおくことによりようやく睡眠状態や食欲が改善してきたのに、電車に乗ったら急激に息苦しくなって途中で降りてしまったと涙する、パニック障害のクライエントさんもいらっしゃいました。
お二方とも、現在は認知行動療法に取り組み始めたところですが、その日は『呼吸法』についてお話をさせていただきました。
いわゆる心理教育です。
* * *
人は、不安や緊張する場面に直面すると、動悸がしたり、手に汗をかいたり、呼吸がしづらくなって苦しくなったりします。
これは、不安・緊張状態が呼吸を浅く不規則にするからです。
いわゆる『過呼吸』の状態ですが、これは病気でない人にもよくある状態です。
過呼吸は、全てが「はぁはぁ」とわかりやすく息が荒くなるわけではありません。
ただ浅く、気づかないくらいの乱れだったりすることも多いのです。
ですが、明らかに息が上がっていようが、そこまででなかろうが、不規則な呼吸は不快ですし、そのために過剰な不安感も生じてしまいます。
それでも呼吸には、身体の防衛としての「自動的コントロール機能」がありますから、30分もすれば自然に止まります。
ただ、想像に難くないと思うのですが、不安定な呼吸状態でいる30分というのは非常に長くてつらいものです。
ならば自分で過呼吸を「意識的コントロール」して、で少しでも短い時間で止めることができたなら、呼吸は楽になり、苦痛から解放されます。
そして、自信もついてきます。「過呼吸がもしまた起こったとしても、もう大丈夫!」って。
※近年は紙袋(ペーパーバッグ法)は危険を伴うため、用いられていません。

また、深く呼吸をすることで気持ちは落ち着いてきます。
これは、息を長くゆる~く吐き続けることで、『幸せホルモン・セロトニン』と呼ばれる、脳内の神経伝達物質が多く分泌され、それにより感情が安定し、幸福感や充実感がもたらされるからなのです。
そこで、正しい呼吸法を身につけ、ストレスに上手に対処できるようになりましょう。
いろいろな方法がありますが、今回は私がいつもクリニックで説明している、「意識的に」ゆっくり息を吐いてコントロールするやり方をご紹介します。
実はこれ、後にご紹介する『マインドフルネス』の呼吸とは若干異なります。
ついては、今後をお楽しみに♪

* * *
① 落ち着きの呼吸
まず、息をふぅっと吐き出します。
次に、下腹に軽く手をあてて、鼻から大~きく3秒息を吸って(腹式呼吸)、
2秒ぐっと止めて、
口をすぼめて、15秒ゆ~っくりと吐きます(苦しかったら10秒くらいでも構いません)。
・肩の力を抜いて。
・腹式呼吸が難しいときは、寝た状態でやってみてください。気道がまっすぐになるので、やりやすくなります。
・吐くことが大切です。自分の中にあるものをどんどん吐き捨てて、新しいものをわくわくしながら取り入れましょう。吐き出していくことで、スペースと安定感も生まれます。
・慣れてきたら、数を数える代わりに「リラックス、リラックス」とか「落ち着いて、落ち着いて」「大丈夫、大丈夫」など、自分に合う言葉に変えてみてください。

② 落ち着きのカウントダウン
①を10回繰り返します。
但しこのとき、1回目が終わったら「10」、2回目が終わったら「9」というように、1クールずつカウントダウンしていきます。
ですから、最後の10回目は「1」になります。
カウントダウンには心を穏やかにする作用があるので、静かに行うことで、気持ちも落ち着いてきます。
この、①落ち着きの呼吸と②落ち着きのカウントダウン をセットで実践してみてください。
やがて体が覚えてしまえば、「もう、何があっても大丈夫!」と必ず思えるようになりますし、
深呼吸は自律神経も整えてくれるんですよ☆
さぁ、あなたもチャレンジしてみてください!

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